Tリンパ球へのエイズウイルス感染におけるトリプシン型ブロテアーゼ群関与の分子機構
Project/Area Number |
04269207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 博 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (50144978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐渡 孝枝 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (60108876)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | レトロウイルス / エイズ / プロセシングプロテアーゼ / 外膜蛋白前駆体 / セリンブロテアーゼ / gp160 |
Research Abstract |
これまで我々はHIV-1がT4陽性細胞に感染して増殖するさいに、少なくとも2種類の細胞内プロテアーゼが重要な役割を果していることを明らかにした。第一はヘルパーTリンパ球膜上に局在するCD4以外の新しい受容体(トリプターゼTL_2)で、エイズウイルスの外膜蛋白gp120のV3領域と特異的に結合する。今年度の研究においてV3領域の中心部構造-GPGRAF-の中で、プロテアーゼインヒビターとしての活性中心RとFがTryptase TL_2との結合阻害活性を持たないが-GPCRAF-に変えた誘導体では両者の結合を阻害することが判明した。第一は宿主細胞のゴルジ膜とER膜に局存するHIV-1外膜糖蛋白前駆体gp164プロセシングプロテアーゼである。本年度の研究でこのプロセシングプロテアーゼを完全精製し、gp160の切断部位を決定した。本酵素はgp160のシークエンスの中で、-Arg^<508>-Leu-Lys-Arg^<611>を特異的に認識してArg^<511>の後を選択的に切断した。本酵素の活性は、人やマウスのT細胞以外にB細胞、単球、Hela細胞などに広く認められ、種々のレトロウイルスの感染に関与していると思われる。またこのプロセシングプロテアーゼは、これまでに報告にあったDibasicの基質を特異的に分解するKEX2ファミリーのプロテアーゼと異なり、金属非要求性でEDTAは活性に影響を与えない。また本酵素の活性は、DFP,アプロチニンなどのトリブシンインヒビターとDTT,システインなどのSH試薬により阻害され、これらの中でも特に低分子インヒビターが培養細胞レベルでも阻害活性を示し抗HIV活性を示すことが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)