Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,従来のオゾナイザ放電のシミュレーションに気体温度の影響を取り入れたモデルを開発し,その影響を調べることである。 そこで,まず,実施計画に基づきオゾナイザ内の温度分布を計算するため,ガスの質量,運動量,エネルギーの各保存式を基本とする熱流体モデルを作成し,金属対ガラス電極同軸円筒型オゾナイザに適用した。その結果,1.層流が想定できる範囲では,流入したガスが平衡な流速分布及び温度分布に達するまでの助走距離は1cm程度と通常のオゾナイザ管長に比べて極めて短く,管内のほとんどが平衡温度分布になっていることが分かった。また,2.両面冷却の場合の温度分布はギャップ中央がピークの放物線状であり,その温度上昇は片面冷却の40%程度にしか達しないとの知見が得られた。これらの結果は,電気学会放電研究会で報告した(ED-92-111)。 次に,前段階として一様な温度分布を仮定してオゾナイザ放電のシミュレーションを準2次元流体モデルを用いて行った。その結果,3.オゾン濃度と温度の間には著しい相乗効果が見られ,オゾン濃度が濃い場合には僅かな温度上昇によっても大きなオゾン収率の低下がもたらされる。一方,4.放電維持電界は0〜150℃の範囲ではほぼ一定であり,実験とのよい一致が得られた。これらの結果は,電気関係学会北海道支部連大で報告した。 次に,最終ステップとして放電空間の温度分布が考慮できる準2次元流体モデルを作成し,先の熱流体モデルと組み合わせることにより,両面冷却の場合の放電を計算した。その結果,5.先の一定温度モデルではより強い放電が計算される傾向にあることが判明した。結果は電気学会全国大会で報告する予定である。今後は種々のオゾン濃度,電力密度,片面冷却などの条件下で計算を行い,研究の一層の充実を図りたい。
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