新しいモノクロナル抗体(HG1-219)を用いたEIA法の確立と肝癌診断への応用
Project/Area Number |
04670449
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
波田 寿一 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30116082)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | HuG-1細胞株 / 肝細胞癌 / 糖鎖抗原 / 酵素免疫測定法 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
ヒト胃癌患者より新しい培養細胞株(HuG-1)を樹立し、この細胞及びその培養上清を免疫原としてモノクローナル抗体(MoAb)を作成した。そのうちの1つであるHG1-219抗体(Ab)と命名したAbを用いてサンドイッチ型のEnzyme immunoassay(EIA)法を確立した。本測定法(EIA-219)で測定される抗原(HG1-219Ag)の正常人(21名)の血清中でのmean±SDは30.5±14.5U/mlであり、正常人のmean+3SDの値をcut-off値とすると、慢性肝疾患では慢性肝炎、肝硬変、原発性肝癌でそれぞれ4.3%(2/47)、9.1%(4/44)、37.5%(18/48)で肝癌で陽性率が高かった。その他胃癌では27.3%(3/11)、肺癌4.5%(1/22)であった。そこで肝癌例でHG1-219Ag陽性者18例についてHG1-219Ag量と腫瘍サイズの関係を調べると、腫瘍径2cm以下が3例、2-5cmが4例、5cm以上の単発例が1例、多発又はび慢性肝癌が10例であり、HG1-219Ag量も腫瘍サイズの増大と共に増加する傾向を認めた。又2cm以下の微小肝癌でも陽性例を認めたことから肝癌のスクリーニングにも有用である可能性を示唆した。次に治療効果とHG1-219Agの変化を調べると、治療前HG1-219Ag高値例(4例)では、治療後は同抗原量の減少を認めたので、本抗原は腫瘍細胞由来と考えられた。一方肝癌の代表的腫瘍マーカーであるAFP、PIVKA-IIの本研究での陽性率はAFP(>400ng/ml)では26.7%(12/45)、PIVKA-IIでは33.3%(12/36)で、両抗原とEIA-219との間には相関を認めなかった。そこでAFP、PIVKA-II、EIA-219のコンビネーションアッセイを行った。いずれの二者の組合せよりも三者(AFP+PIVKA-II+EIA-219)の組合せで陽性率は75%(27/36)で最も高く、この時の特異性は90%であった。 HG1-219Agの性状については、本抗原が過ヨウ素酸処理で抗体との反応性が消失し、CA19-9(300units)で約90%阻害されたが、CA125(300units)やL-Fucose(40mM)では約50%程度しか阻害されなかったので、HG1-219AgはCA19-9に類似の糖鎖がそのepitope考えられ、現在糖鎖構造の解析を行っている段階である。
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Report
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Research Products
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