Project/Area Number |
04671023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
新美 茂樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30189237)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | シスプラチン / 薬剤耐性 / グルタチオン / メタロチオネイン / アルカリ抽出法 / MTT / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
我々は、シスプラチン0.4μg/mlに卵巣癌細胞株を持続接触させることにより、シスプラチン耐性ヒト卵巣癌細胞株を樹立した。シスプラチン耐性株(HAC2/0.4)の親株(HAC2/P)に対する耐性度は、感受性試験としてMTTassay法を用いた場合、約7.6倍であった。細胞内解毒に関与するとされるグルタチオン-S-トランスフェラーゼπ活性( Griffithの方法により測定)、シスプラチンの原子吸光法を用いた取り込み実験においても耐性細胞および親株に、有意な差は認められなかった。C-myc癌遺伝子は、これを移入した細胞が多剤耐性を獲得したとする報告を認めるが、薬剤耐性獲得に重要な役割を演じていると思われる。今回の実験でNorthern blot analysisにより親株および耐性株においてc-myc癌遺伝子の発現には有為な差は認められなかった。耐性細胞におけるグルタチオン含量は(Griffithの方法により測定)、親株に比べ約3.0倍と高値を示したが、細胞内glutathioneを枯渇するとされるBSOを用いた実験では、シスプラチンに対する耐性株のBSO使用時における50%細胞増殖阻止濃度(IC50)は、親株のBSO未使用におけるIC50値に達しなかった。耐性細胞のヒトmethallothioneine geneの発現をNorthern blot.analysisにより親株と比較したところ、耐性細胞において明らかに発現は増大していた。アルカリ抽出法によって、DNAcross linking及びDNArepairを比較したところ、親株及び耐性株において有為な差は認められなかった。これらの事実より、今回樹立されたシスプラチン耐性株のシスプラチンに対する耐性獲得機構には、methallothionein geneの発現並びに細胞内解毒蛋白であるglutathioneが関与しているとおもわれた。
|