歯周炎患者の体液性免疫応答の特異性(Porphgromonas gingivalisの主要抗原の同定・特に多糖抗原に関して)
Project/Area Number |
04671157
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 博夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (40213079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 直樹 大阪大学, 歯学部, 助手 (70238616)
原田 泰 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10181025)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 歯周炎 / IgGサブクラス / Porphyromonas gingivalis / 抗体 / 多糖抗原 / イディオタイプ |
Research Abstract |
歯周炎の免疫応答におけるPorphyromonas gingivalis(Pg)の糖抗原の意義を検討することを目的として以下の研究を行った。1.IgGサブクラス特異的なELISAで血清抗体を測定し、病態との関わりを検討した。本年度は系を改良し、各IgGサブクラス抗体価の準定量的測定に成功した。抗Pg抗体のサブクラスは患者群、健常人群ともに平均ではIgG1>2>4>3の順で、IgG1と2が主なサブクラスであった。しかし患者群ではIgG2が1よりも優位な症例が多数(12/30)存在し、しかも全IgG抗体に占めるIgG2の割合が高いものほど歯槽骨吸収が著しいという相関関係も認められた。2.Pgの超音波破砕上清(Pg-sup)を用いたイムノブロット法で、各IgGサブクラスが認識する物質の分子サイズを調べた。半数の患者のIgG2は分子量約4万から9万の広い範囲を濃染する特徴的な反応性を示した。同様の反応性は健常人のIgG2には認められなかった。3.レクチンブロットでPg-supに含まれる物質の糖の分布を検討した。ピーナツ凝集素(PNA)はじめ5種のレクチンは主要蛋白バンドを強く染色したが、ヒマレクチン(RCA_<120>)は患者IgG2に類似した広範囲のスメアな染色像を示し、同部には特徴的な糖構造を持つ物質が分布することが示された。4.作製した抗Pgモノクローナル抗体の1つであるPF18のイディオタイプに対する抗体が患者血清に特異的に検出された。であることから、PF18は熱処理やトリプシン処理に耐性で過ヨウ素酸処理に感受性の糖関連エピトープを認識する事が示唆された。PF18の対応抗原物質を精製し、これに反応する患者血清抗体のIgGサブクラスを調べたところ、主要なサブクラスはIgG2であった。以上の結果から、特定のPg糖抗原を認識する血清IgG2抗体の存在が歯周炎患者を特徴付ける可能性、そして、糖抗原に対する体液性免疫応答の調節にイディオタイプネットワークが関与することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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