骨原性細胞が合成するカルシウム結合性蛋白質とメチルチオアデノシン代謝との関連
Project/Area Number |
04671163
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
笠原 信治 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (80169408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (10127847)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 骨原性細胞 / 石灰化 / オステオポンティン / メチルチオアデノシン / アデニン |
Research Abstract |
ラット頭蓋冠由来細胞を用いて、骨原性細胞が合成分泌するカルシウム結合性蛋白質とメチルチオアデノシン(MTA)代謝との関連について追究した。実験では、MTAホスホリラーゼの阻害剤であるジフルオロメチルチオアデノシン(DFMTA)に加え、MTAの代謝産物であるアデニンを用いた。我々はこれまでに、DFMTAはこの細胞が形成する石灰化コロニー(Bone Nodules:BN)を減少させるがこれはアデニンの添加によって回復すること、また細胞のアルカリホスファターゼ活性もBN数と同様の推移を示すことを明らかにした(Kasahara et al.1992)。 今回DFMTA(20μM)を添加した群では、10%SDS‐PAGEゲルのステインズオール染色を行った場合、石灰化基質(EDTA抽出画分)中のカルシウム結合性蛋白質は著明に減少しており、対照群にみられる60kDaおよび72kDaの青色バンドは約1/10に減弱していた。この60および70kDaバンドについて、オステオポンティン(OPN)のモノクロナール抗体を用いたウェスタンブロット分析を行った結果、これらはいずれもOPNであることが判明した。さらにDFMTAによって減弱したOPNバンドは、アデニン(20μM)添加することによって対照群の約1/2程度にまで回復した。このことは、石灰化基質中へのOPNの取り込みはMTA由来のアデニンによって制御されている可能性を示唆している。以上の結果から、骨原性細胞における石灰化BN形成やOPNの石灰化基質への取り込みにはMTA由来のアデニンが重要であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)