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バッハを中心とするバロック時代の演奏習慣について

Research Project

Project/Area Number 04801008
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 美学(含芸術諸学)
Research InstitutionDoshisha Women's College of Liberal Arts

Principal Investigator

小林 義武  同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (70234854)

Project Period (FY) 1992 – 1993
Project Status Completed (Fiscal Year 1993)
Budget Amount *help
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1992: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Keywordsバッハ / バロック時代 / 演奏習慣
Research Abstract

今年度の研究では、バロック時代の理論書を基にした、現代の学者や演奏家による既存の研究書を中心に、それが古楽演奏にどのような影響を与えているかについて調査を行なった。市販されているCD録音を調査対象とした場合、古楽演奏を自称していながらも、オリジナルとは言い難い演奏様式を体験することは稀でなかった。/その原因として、第一に、研究書自体に誤った資料解釈や文献解釈が見られること、第二に、一部の演奏家は、歴史的に忠実な演奏を必ずしも究極目的としていないことが挙げられる。例えば、ホッグウッド指揮によるバッハのブランデンブルグ協奏曲全曲録音では、第5番として初期の稿が演奏されているが、この稿は、決して6曲からなる協奏曲集に含まれるものではなく、それに先んじて単独で作曲された作品である。従って、ホッグウッドの録音に見られるような形態には、歴史的根拠がなく、単に他人の演奏とは違うことを強調する手段となっている疑いが強い。同様なことは、ヘルヴェッヘ指揮によるバッハカンタータ「堅き砦は我らが神」においても確かめられる。この曲の古い版に見られるトランペットはバッハ自身に由来するのではなく、長男フリーデマンが任意に付け加えたものであり、そのため今日では普通除外される。それにも拘らずヘルヴェッヘがトランペットを用いているのは、歴史的事実よりも、他人の演奏との違いを誇示することの方が優先するという態度の現れであろう。/第一の場合には、音楽学からのより緻密な資料調査およびより正確な文献解釈を拠り所として有効な助言を与えることが考えられるが、第二の場合には、演奏者の姿勢に関わる問題であるので、真実を提示することによる問題解決は期待できないという難しさがある。古楽演奏を隠れ箕として利用する演奏家の自己主張は批判されるべきものであり、古楽演奏の存在を自らの手で無意味なものにする危険性を孕んでいることが明らかになった。

Report

(2 results)
  • 1993 Annual Research Report
  • 1992 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 小林 義武: "バッハの演奏習慣" 小林 義武、礒山 雅 共編 バッハ事典(東京書籍).

    • Related Report
      1992 Annual Research Report

URL: 

Published: 1992-04-01   Modified: 2016-04-21  

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