Research Abstract |
中国労働者の「生産性」の高低をめぐって論議が活発である。中国人はある状況では,非常な高水準を維特しているが,他の状況では必らずしも高水準でないといわれる。わが国の総務庁青少年対策本部が、世界11か国に対し行った青少年調査では、中国は学生の地位志向と社会人の金銭志向が特徴と指摘された(1989年),「光明日報」,(1992年12月27日)によれば、労働者の平均月収は、基本給で広東省で約360元(7920円)、上海で260元(5720円)となり、諸手当を含めると実収入は倍以上とされている。しかし多くの労働者は、「第二職業」と呼ばれる本職以外のアルバイトに従事するといった「豊かな生活」を目指し、勤労意欲は高い。中国科学技術促進発展研究センターでは、「中国都市住民の労働意欲」の論文で、1988年の労働意欲を高める條件は、給与、仕事に対する興味、上司との人間関係、勤務時間、職場での対人関係の順である。それが1990年では、仕事に対する興味,給与,上司との人間関係,職場での対人関係、仕事場所の順に変化を示している.いずれにせよ,「金銭」という條件が生産性の高低を規定している.1992年末,北京市建国門外にヤオハンと中国の合弁で「〓特ショッピング・センター」がオープンした。地上五階、地下二階、売場面積は1万平方メートル余りで、商品の大半が輸入品である。陳希同北京市長は、今後市内にこうした「大型商業施設」を実は100カ所建設する計画という。現在北京などの都市部では、カラーテレビ、冷蔵庫、洗濯機、ビデオデッキがほぼ普及し、1993年に入ってマスコミ関係者に質問したところ、エアコン、電話、マイカー、マイホームといったものを挙げた。貧しくとも平等な社会から、豊かだが競争の激しい社会へと変化するにつれ、所得格差が拡大することも確かで、社会的混乱を引き起こしている。
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