有機EL薄膜と無機半導体薄膜の接合による新しい光-光変換素子の開発
Project/Area Number |
04805082
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学・複合材料
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横山 正明 大阪大学, 工学部, 教授 (90029281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平本 昌宏 大阪大学, 工学部, 助手 (20208854)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 「光-光」変換 / アモルファスシリコンカーバイド / 有機電界発光 / 光電流増倍現象 / UV光制御 / 2次元光演算素子 / ペリレン顔料 / 「光-光」増幅 |
Research Abstract |
本研究は、無機半導体薄膜と有機電界発光(EL)薄膜を接合することによって、新しい原理により「光-光」変換機能素子を開発することを目的としたものである。私達はすでに、n型のアモルファスシリコンカーバイド(a-SiC:H)と有機ELとの組合せにおいて 1%の効率で「光-光」変換が可能なことを確認しているが、今回さらに研究を押し進め、以下のような結果を得た。 まず、光電流増倍現象が起こることが明らかとなっている a-SiC:H膜の光電変換特性をさらに詳しく検討した。その結果、 a-SiC:H膜における赤色光照射下での増倍光電流が、重ねて照射した紫外(UV)光によって効果的に抑制されることを見いだした。さらに、この現象を「光-光」変換素子に応用し、赤色光から緑色光への変換を重ねて照射したUV光によって最大90%まで可逆的に抑制することに初めて成功した。この素子においては、入力光パターンが出力でも保持される。よって今回の結果は、この「光-光」変換素子が将来の光コンピューティングの2次元光演算素子として応用できることを意味している。 次に、「光-光」増幅を目指して a-SiC:Hをn型の有機顔料であるペリレン顔料に置き換えた素子についても検討した。その結果、有機材料としては初めて1万倍に達する光電流増倍現象を観測した。さらに、このペリレン顔料薄膜とEL薄膜を積層一体化した全有機「光-光」変換素子を作製し、40%に達する「光-光」変換効率を達成した。これは、これまでに比べて格段に大きな値であり、「光-光」増幅が可能なことを強く示唆する結果といえる。今後、「光-光」増幅の実現、出力光の受光層へのフィードバックを利用した光双安定デバイスへの展開を計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)