視覚特徴の心理物理学的測定に基づく漢字認知過程の解析に関する研究
Project/Area Number |
04831004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
認知科学
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 辰夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40220652)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 文字認識 / 漢字認識 / 特徴抽出 / 視覚認識機構 |
Research Abstract |
漢字1文字を複数の部分パターンに分解し、その内の幾つかを同時に被験者に短時間呈示する。この時、漢字が正しく認識されれば、呈示された部分パターン中に元の漢字の認識の手掛かり、すなわち、視覚的特徴が含まれていたと考えられる。そこで、認識が正しく行なわれた場合に呈示されていた部分パターンを重そ合わせて行くと、それぞれの漢字の視覚的特徴が描き出される筈である。このような方法で漢字の視覚的特徴の解析を行なった。 漢字を構成する線分の数が4本以下のものを簡単な漢字、5〜10本のものを中程度に複雑な漢字、11本以上のものを複雑な漢字と分類し、それぞれのグループから30文字ずつを選び出して実験を用いた。刺激パターンの呈示時間は150ms、呈示する部分パターンの数は1〜9の間で可変とし、文字全体の10〜90%の部分を呈示するという条件で実験を行なった。文字中のどの部分を呈示するかは、呈示の度にランダムに選択することとし、また、1文字の大きさは視覚にして3゚×3゚とした。 簡単な漢字では、それぞれの線分の端点や、線分同士の交点が重要な特徴となることが示された。漢字が複雑になるのに伴い、文字の中央部分は特徴としての重要さを失ない、外周部の端点や交点に認識の手掛かりが移って行く。この結果、複雑な漢字では、特徴はほぼ文字の外周部の形状に含まれるようになることが明らかになった。視覚認識機構では、文字の特徴抽出は外周部から中央へと進められるものと進定される。 現在、このような特性を実現するための特徴抽出機構のモデルの構成を検討している。また、漢字以外の文字や図形について、同様の手法で視覚的特徴を求める研究を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
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