グリシンベタイン処理が塩ストレス条件下のイネの収量と生理反応に及ぼす効果
Project/Area Number |
04F02509
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
作物学
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Research Institution | Nagoya University |
Host Researcher |
三宅 博 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
RAHMAN M.S. 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
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Keywords | イネ / 塩ストレス / カリウム / カルシウム / 共存イオン / 軽減対策 / 成長 / マグネシウム |
Research Abstract |
イネに耐塩性を賦与する目的でグリシンベタインを処理する実験をいろいろ試みたが、満足のゆく結果が得られなかったので、共存イオンによる軽減効果を調べた。イネを水耕および土耕にて、30mM NaClとともにさまざまな濃度のCaCl_2、KCl、MgCl_2を与えて、雨水のかからないガラス室にて栽培した。高濃度の共存イオンの存在でイネの成長は抑制されたが、適正な濃度では塩ストレスによる成長抑制が著しく軽減された。水耕ではカルシウムが最も有効で、5mMのカルシウムによって塩ストレスの影響は完全に消失した。土耕では、カルシウムよりもカリウム、マグネシウムの方が有効であった。植物体の元素含量を分析したところ、ナトリウム含量そのものよりもNa/K比の値と成長抑制との間に高い相関があり、共存イオンの処理や水耕、土耕に関係なく、Na/K比と成長抑制との関係は一本の直線で回帰できた。したがって、塩ストレス障害を軽減するためには植物体のNa/K比を低く保つ栽培法を開発することが重要であり、その方法は環境条件によって異なり、必ずしもカリウムの投与が常に有効ではないことが明らかになった。つぎに、実用的な塩ストレス障害軽減対策を開発する目的で、コンテナを用いた水田栽培に近い条件で、経費の安い苦土石灰と硫酸カルシウムを処理して、塩ストレス障害に対する軽減効果を調べた。その結果、カルシウムとマグネシウムの混合物である苦土石灰で塩ストレス障害が顕著に軽減された。とくに3%の苦土石灰が有効であった。元素分析の結果、苦土石灰の処理によって植物体のNa/K比が低く保たれることが確認された。しかし30mMのNaCl処理条件下では、いかなる処理をおこなってもイネはほとんど不稔であり、収量に対する有効な塩ストレス軽減対策を見出すことはできなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)