合理的設計した化学モデルを用いた酵素酸素活化反応の系統的研究
Project/Area Number |
04F03270
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
無機化学
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Research Institution | Kyushu University |
Host Researcher |
成田 吉徳 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
OUYANG Xing-Mei 九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 酸素分子活性化 / チトクロムc酸化酵素 / ヘム / 3脚配位子 / 銅錯体 / ペルオキソ化合物 / 異核二核錯体 / 鉄ポルフィリン / 酸素錯体 / 配位様式 |
Research Abstract |
呼吸鎖における末端酸化酵素チトクロムc酸化酵素は酸素を水へと触媒的に還元している。この反応活性部位にはヘム(鉄ポルフィリン,heme a_3)が存在し、その周辺に(His)_3Cu錯体(Cu_B)、Hisと交差縮合したTyr、およびheme a_3の軸配位子Hisが存在する。この内でCu_Bの働きは十分解明されていない。また、錯体化学的にも銅-鉄異核二核錯体における酸素分子活性化は興味ある課題である。そこで、酵素と酷似した配位構造を取れる3脚型トリピリジルメタン配位子(R-CPy_3)を鉄ポルフィリンに共有結合したモデル錯体を合成し、その酸素との反応を各種スペクトル法により検証した。橋頭位の置換基R=H,Me,MeOと変えることにより、銅との配位構造の影響も調べた。様々の溶媒と置換基Rについて系統的に検討した結果、R=H、2-MeTHFを溶媒とした場合、最も酸素との反応性が高く、-90℃において3種類の酸素錯体が共鳴ラマン分光法により検出された:銅-ヘム間にペルオキソ架橋を持つ2種の錯体[μ-η^2:η^2,ν(O-O)=736/696,およびμ-η^2:η^1,791/747cm^<-1>(^<16>O_2/^<18>O_2)]並びにヘム-スーパーオキシ錯体[ν(Fe-O)=571/548cm^<-1>]。これらの酸素錯体は、僅かに昇温する事により全てスーパーオキシ錯体となった。以上の結果より、R-CPy_3配位子が共有結合で固定されているためμ-η^2:η^2錯体構造を取るには最適な構造ではないことがあるものの、3脚型窒素配位子銅錯体とヘム間で生成するペルオキソ錯体は熱的に不安定であることが分かった。従って、酵素における常温での酸素との反応において銅-鉄間に生成するペルオキソ錯体は酸素活性化の中間体である可能性は乏しいと結論づけた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)