圧力軸における蛋白質フォールディングの物理化学的研究
Project/Area Number |
04F03363
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生物物理学
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Research Institution | Kinki University |
Host Researcher |
赤坂 一之 近畿大学, 生物理工学部, 教授
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Foreign Research Fellow |
ABDUL Raziq Abdul Hamid Abdul Latif 近畿大学, 生物理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アミロイドプロトフィブリル解離のキネティックス / プロトフィブリル解離の活性化体積 / プロトフィブリル解離の活性化圧縮率 / アミロイドプロトフィブリルのトリプトファン蛍光 / ニワトリリゾチームのS-S欠損変異体 / 高圧蛍光測定 / アミロイド / プロトフィブリル / トリプトファン蛍光 / 圧力解離 / 活性化体積 / 活性化圧縮率 / 活性化エンタルピー / 活性化エントロピー |
Research Abstract |
フォールディングとアミロイド線維は蛋白質の二つの安定形である。フォールディングについてはキネティックスの研究がこれまで盛んに行われてきたが、アミロイド形成についてのキネティックス研究はほとんど手付かずの状態である。本研究は、アミロイド線維形成の前駆体と考えられるプロトフィブリルの解離反応について、そのキネティックスを詳しく解析した最初の研究である。 対象となるプロトフィブリルは、自然に変性状態にあるニワトリリゾチームのS-S欠損変異体で、圧力により加速される解離反応をトリプトファンの蛍光によりモニターした。蛍光の時間変化の解析とプロトフィブリルの線維長分布の解析から、プロトフィブリルの成長と消滅は、線維の端にモノマーが付加するのと線維の端からモノマーが解離するのとよりなるlinear polymerization mechanismにより進行することを明らかにした。また、解離速度の圧力依存性の解析から、解離の活性化体積が負(?V^<o‡>=-50.5?1.60ml mol^<-1>)で、活性化圧縮率も負であることが明らかになった。一方、高圧NMR実験から、平衡状態では、プロトフィブリルの解離に伴う体積変化が、およそ?V^o=-100ml mol^<-1>である。プロトフィブリルの体積パラメータが詳しく測定されたのはこれが初めてである。これらの一連の体積パラメータから、プロトフィブリルはもともと空隙を伴う比較的高い体積状態にあり、揺らぎによってかなりの水和が進行する活性化状態に達し、さらにより完全に水和した低体積のモノマーに解離する、と予想される。この成果はアミロイドプロトフィブリル及びその解離に関して初めての体積パラメータからの解析であり、その実験方法とともに、今後のアミロイド線維機構の解析について、貴重な示唆を与える研究成果であるといえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)