Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,脊髄損傷不全片麻痺者を対象とし,歩行の質の向上とリハビリテーション期間の短縮を可能にする歩行支援システムを開発し,FES歩行における新しい患者再教育手法を構築することを目的として行われた。 支援の対象は,病院等のトレッドミル上で携帯型FES機器を使用して歩行訓練を行う不全片麻痺患者とし,患者の歩行の質を定量的に評価するシステム,および,評価結果を実時間で患者と理学療法士に提示する聴覚的フィードバックシステムを開発した。FESには表面電極による総腓骨神経刺激を用い,前脛骨筋収縮による足背屈曲を制御した。この刺激の開始時刻・継続時間・振幅を下腿部の傾斜角などから決定する処理,歩行の質の評価,聴覚的フィードバックのために,従来用いていたPCベースのシステムに代えて,臨床現場での使用が容易な,デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ボードを用いた携帯型のシステムを開発した。歩行の質の評価は,遊脚期における下腿傾斜角の時間変化について,計測されたパターンおよび基準となる健側などのパターンとの間で相関を求めることで行った。評価結果は‘poor',‘satisfactory',‘good'の3段階にして患者に提示し,‘good'が多く発生した場合には徐々にFESのレベルを低下させた。この方法により,患者の努力が補助なしでの歩行に結び付くような歩行訓練システムとすることができた。 健常人と患者でのシステムのテストは,滞在中の東北大学電子工学科,宮城県産業技術センター,スロベニアリハビリセンターなどで行われた。上記のような研究開発に加えて,日本国内外での研究成果の発表(スロベニア,京都),国内での関連研究機関の訪問と見学・講演・討論など(金沢大,久留米大,東大)を行い,今後の研究のための情報収集も十分に行った。
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