Project/Area Number |
04F04023
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
水野 直樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
YANG In-Sil 京都大学, 人文科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 植民地 / 朝鮮 / 視覚メディア / 表象 / ジェンダー / ナショナルシネマ / 在日 / 映画国策 / オリエンタリズム |
Research Abstract |
本研究は戦前日本の視覚メディアにおける「朝鮮」表象がいかなるものであったかを明らかにするものであった。戦前日本の視覚メディアのなかで重要な部門を示していた映画、絵葉書、観光ガイドマップ、マンガ、大衆雑誌などがそれぞれ異なる目的をもち、植民地朝鮮について描いていた。 近年、日韓の両国はこれまでになく戦前の「文化」に対する研究や資料発掘が活発をおびており、その成果も公開されつつある。例えば、日本では「1930年代の研究」あるいは「アジア・太平洋戦争」に対する多角的視点からの研究成果のシリーズの出版などが取り上げられる。また、韓国では今まで幻の映像とされていたものが、次々と発掘された。例えば、2004年には『家なき天使』を含む5つの映画が、2005年には現存最古の映画である『未夢』(1936)を含む『半島の春』(1941)、『朝鮮海峡』(1943)の三つの映画が中国電影の協力で発掘された。 本研究ではこうした成果を踏まえつつ、研究を進めた結果、以下のような知見が得られた。第一、1930年代までの日本の視覚メディアは植民地朝鮮を「風景」と「女性」として描いていた。第二、しかしながら、1930年代末から日本の視覚メディアにおける「朝鮮」表象は大きく変化し、日本の視覚メディアは植民地朝鮮を再発見することになるのである。朝鮮を積極的に戦争へと巻き込んでいこうとするなかで、視覚メディアは「朝鮮」をテーマとしてとりあげることとなった。ここでは、戦争へともっていくために朝鮮を「男性化」させ、日本と類似性を強調するようになった。そして、映画を例とすれば、「映画国策」という名のもとに、朝鮮との合作が試みられる。この「映画国策」は日本映画と朝鮮映画という「ナショナルシネマ」の概念を曖昧なものとした。こうした曖昧さは戦後の「在日」のなかに表れるようになったのである。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)