量子液体中に閉じこめられた多電子系の精密理論スペクトロスコピー
Project/Area Number |
04F04119
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中辻 博 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAHA Biswajit 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 有機EL素子 / ポリフェニレンピニレン / ポリフェニレン / SAC-CI法 / 励起状態 / 理論精密分光学 / 励起分子の構造 / エネルギー勾配法 / ポリフェニレンビニレン / 共役分子 |
Research Abstract |
本研究課題では、SAC-CI法を用いてπ共役分子や有機EL素子に応用されている分子の理論スペクトロスコピーを行い、その光電子過程を明らかにすることを目的とした。本年度は、エネルギー勾配法を用いて、励起状態における構造変化を評価し、発光過程のメカニズムの解明を行い、さらに、それらが集積した場合の光学特性の変化について研究した。 有機EL素子において、高い発光性能をもつポリフェニレンおよびポリフェニレンビニレンについて、強い発光を示す第一励起状態を研究した。光吸収・発光エネルギーの鎖長依存性を極めた高い精度で実験値を再現することに成功した。ポリフェニレンでは、非平面構造が安定であるが、構造最適化の結果は、実験結果を極めてよく再現した。フェニレンビニレンでは、励起状態においても平面構造をとることを示し、発光エネルギーについても実験値をほぼ定量的に再現する結果が得られた。また、励起状態における構造変化を静電力理論から定性的に説明することに成功した。 4π電子系の分子である、ブタジエン・アクロレイン・グリオキサールの一重項励起状態、三重項励起状態の精密な帰属を行った。数多くの励起状態の構造最適化を行い、励起状態の構造変化について検討した。また、2電子励起状態に注目し、SAC-CI法がこれらの電子過程を精密に記述することを示した。グリオキサールの2電子励起状態については、本理論計算が初めての研究であり、強度は小さいが極めて低いエネルギー領域に存在することを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)