オレフィンの精密重合を指向した高性能遷移金属錯体触媒(特異なナノ反応場)の設計・創製
Project/Area Number |
04F04129
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Hao 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 遷移金属錯体触媒 / 精密重合 / チタン錯体触媒 / 均一系触媒 / 新規ポリマー / 反応機構解析 / 触媒設計 / エチレン系ポリマー |
Research Abstract |
本課題はオレフィンの精密重合を指向した高性能遷移金属錯体触媒の設計・創製に関する基礎研究である。具体的には、オレフィン系共重合体の精密合成に高性能を発揮するチタン触媒の分子設計・合成を目的としている。特にチタン錯体触媒によるエチレンとスチレンとの共重合に焦点を絞って、平成17年度は以下の主な成果を得た。 ケチミド配位チタン錯体、(C_5Me_5)TiCl_2(N=C^tBu_2)、を用いると、エチレンとスチレンとの共重合が初めてリビング挙動を取ることを明らかにした。このリビング共重合は、種々のエチレン圧力、スチレン濃度や重合温度の条件下でもリビング重合挙動を示した。 この共重合における触媒活性は使用するCp'配位子に依存し、かつ生成ポリマーのミクロ構造は使用するアニオン性支持配位子の影響を強く受けた。特にMAO助触媒存在下、アリロキソ配位チタン錯体触媒、(C_5Me_5)TiCl_2(O-2,6-^iPr_2C_6H_3)、では効率よくスチレンが取り込まれた共重合体のみを優先的に生成するが、トリクロロ錯体、(C_5Me_5)TiCl_3、では共重合は進行せずにポリエチレンとシンジオタクチックポリスチレンを与えた。さらにそれぞれのジメチル錯体を合成し、ホウ素助触媒存在下での共重合を試みると、アリロキソ配位錯体触媒からは共重合体のみが得られるのに対し、トリメチル錯体触媒からはポリエチレンのみが得られた。この実験事実は、スチレン重合と共重合が異なる活性種(酸化状態)で進行していることを強く示唆し、重合機構の解明に向けた極めて有用な知見である。 より高性能触媒の創製を目的に、各種フェノキシイミン配位子を有するハーフメタロセン型チタン錯体の合成手法を確立し、配位子上の置換機の異なる錯体の構造決定を行なった。オレフィン重合における触媒活性への配位子効果に関する知見を確立するつもりである。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)