Project/Area Number |
04F04133
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
小林 昭子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
周 彪 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中性単一分子性金属 / 分子性伝導体 / ジチオレン金属錯体 / 混晶系 / 反強磁性体 / X線粉末回折 / 中性単一成分分子性金属 |
Research Abstract |
(1)[Ni(tmdt)_2]と[Au(tmdt)_2]とは同形構造を持つが、それらの電子状態は全く異なる。そこで[Ni(tmdt)_2]と[Au(tmdt)_2]の混晶系を合成できれば、興味深い物性の発現が期待できる。本年度一連の合金系[Ni_<1-x>Au_x(tmdt)_2](0<x<1)の黒色微結晶を合成した。大型放射光施設SPring-8における粉末X線回折実験から、Auの混入量(x)の増加に伴って、回折ピークが系統的に低角側にシフトし、この事から[Ni_<1-x>Au_x(tmdt)_2](0<x<1)の合金系が確かに合成できていることが確認できた。組成がx=0.2,0.4,0.6,0.8の錯体について四端子法を用いて加圧成形試料の伝導度を測定したところ、10〜40 S・cm^<-1>の室温電気伝導度を示し、Auの混入量(x)の増加に伴って伝導度が減少する傾向が見られた。また、[Ni_0.75Au_0.25(tmdt)_2]の錯体の単結晶試料では、室温伝導度が180 S・cm^<-1>であり、低温まで金属的伝導挙動を示すことが判った。[Ni_<1-x>Au_x(tmdt)_2](0<x<1)の多結晶試料の静磁化率の温度依存性を調べた。室温静磁化率は2〜3×104emu・mol^<-1>であった。[Ni_<1-x>Au_x(tmdt)_2](0<x<1)の静磁化率は、50〜300Kの温度領域でほぼ一定で、Pauli常磁性的な挙動を示した。[Ni_<1-x>Au_x(tmdt)_2](0<x<1)の多結晶試料のESR測定を行った。ESRシグナルの強度と線幅の変化から、Auの混入量(x)の減少に伴って磁気相転移温度は低温側にシフトし、組成がx=0.8の錯体で磁気相転移温度が60K付近であることが分かった。 (2)合成法の改良を行い、[Au(tmdt)_2]の30μmの単結晶および高品質の粉末試料を得ることができた。高品質の[Au(tmdt)_2]の加圧成形試料の室温伝導度は50S・cm^<-1>と以前に報告した伝導度の3倍に増えた。2〜300Kの温度範囲で様々な磁場(3-50kOe)下での[Au(tmdt)_2]の多結晶試料の静磁化率の温度依存性を調べた。磁化の磁場依存性から、この錯体では23kOe付近をスピンフロップ磁場とする反強磁性転移が起きていることが示された。試料の質が向上したことにより、[Au(tmdt)_2]の伝導性が良くなり、反強磁性相転移温度が110Kに上昇した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)