シクロデキストリン類と疎水性薬品粒子表面の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
04F04163
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Chiba University |
Host Researcher |
根矢 三郎 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授
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Foreign Research Fellow |
WONGMEKIAT Arpansiree 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | シクロデキストリン / 難溶性医薬品 / ナノ粒子 / 混合粉砕 / 水分量 / 粉砕時間 |
Research Abstract |
難溶性医薬品のbioavailabilityの改善を目的とし、シクロデキストリン(CD)類との混合粉砕による薬品ナノ粒子の調製と生成メカニズムについて研究を進めた。X線回折測定、粒度分布測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定および定量法等を用いて、ナノ粒子生成に影響を及ぼす様々な因子や粒子の安定性について検討を行った。 モデル薬物としてプランルカスト水和物(PRK)を使用した。β-CD水和物とPRKをモル比2:1で混合し振動ロッドミルにより10分間混合粉砕した。混合粉砕試料を水に分散すると、平均粒子径約200nmのPRKナノ粒子が生成することが認められた。定量の結果によりほとんどの薬物がナノ粒子化したことがわかった。一方、β-CD無水物との混合粉砕物ではナノ粒子生成が認められなかった。また、PRKとβ-CD、α-CDおよびγ-CDの系においては、混合粉砕時の水分量が多くなるにつれてPRKナノ粒子量は増大し、ある水分量以上になると減少する傾向が認められたことから、ナノ粒子生成に対する系の水分量には至適範囲があり、水分子の存在がナノ粒子生成に重要な役割を持っていることが明らかとなった。ナノ粒子生成には混合粉砕時の水分量のほかに粉砕時間およびCDの添加量が大きく影響している。混合粉砕物の粉末中のPRKナノ粒子を観察するために、高分解能SEMを用いて測定を行ったところ、混合粉砕物の粉末中に約50nmのPRK粒子が観察された。この一次粒子が水に分散した後に凝集し平均径約200nmの粒子になったと考えられた。粉末X線回折測定の結果から、PRKナノ粒子はナノ結晶として存在していることがわかった。 さらに、flurbiprofen、indomethacinまたはnaproxenをCD類と混合粉砕したところ、ナノ粒子生成と同時に薬物の可溶化が認められた。Flurbiprofenおよびindomethacinでは約50〜60%の高いナノ粒子生成率を示したが、naproxenではナノ粒子生成率が低く、薬物の可溶化率が約50%であった。各種CDを用いて検討を行ったところ、naproxenの系ではCDの空孔系が大きくなるにつれて可溶化の割合が増加する傾向が観察された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)