インスリン様作用を有するバナジル-ポルフィリン錯体の開発研究:構造-活性相関性
Project/Area Number |
04F04164
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Drug development chemistry
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Host Researcher |
桜井 弘 京都薬科大学, 薬学部, 教授
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Foreign Research Fellow |
SAHA Tapan Kumar 京都薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 糖尿病 / インスリン様作用 / バナジル錯体 / ポリフィリン錯体 / 脂肪細胞 / 血糖降下作用 / ポルフィリン錯体 |
Research Abstract |
糖尿病の患者数は20世紀以後急激に増大し、21世紀に到っても年々増加を示し、2025年には世界の患者数は330万人に達すると見積もられている。糖尿病は主にインスリン依存性1型とインスリン非依存性2型に大別され、発症時期により区別してそれぞれ若年性と成人性糖尿病ともいわれる。前者は膵臓のβ細胞が破壊されているためインスリン注射が唯一の治療法であり、後者は細胞でのインスリン感受性低下によるため食事・運動療法に加え合成薬剤が投与されている。合成薬剤の投与が長期に続くと、生体はインスリン合成が不要と認識するため、やがてはインスリンの合成と分泌が停止する。そのため、2型糖尿病患者もインスリン注射に頼らざるを得なくなる。 血糖値測定とそれに続くインスリン注射は、肉体的・精神的苦痛が大きいためインスリン注射に代わりうる経口投与可能な薬剤の開発が期待されている。 1990年以来、我々は経口投与可能な1型糖尿病治療薬としてバナジル(+4型バナジウム)錯体を提案している。2004年に初めてVO(N_4)配位型をもつバナジル-ポルフィリン錯体はアスコルビン酸を併用投与すると糖尿病を治療できることを見出した。 本研究をベースにし、様々な構造をもつポルフィリン錯体を合成して構造-活性相関性を研究した。Meso-tetrakis({4-sulfonatophenyl}porphyrinato)oxovanadium(IV)(VO(TPPS))が経口投与により糖尿病を治療できることを見出した。本錯体は、脂肪細胞において強いインスリン様作用を示すのみならず、生体内ではバナジルが酸化されず安定に存在することが可能なため、経口投与により高い血糖降下作用を示すと考えられる。 ポルフィリンは生体内で多様に存在する天然物であるため、VO(TPPS)は将来、臨床応用へと向かう可能性のある化合物として期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)