カテプシンD欠損マウスにおけるミクログリアを介した神経細胞死に関与するフリラージカルの全容解明
Project/Area Number |
04F04167
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Kyushu University |
Host Researcher |
中西 博 九州大学, 歯学研究院, 教授
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Foreign Research Fellow |
ZHANG J 九州大学, 大学院・歯学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | カテプシンD欠損マウス / 一酸化窒素 / ニューロン死 / ESR / スピントラップ法 / 活性化ミクログリア |
Research Abstract |
これまで生後20日目以降のカテプシンD欠損マウスの視床においてESR/スピントラップ法によってNOが検出されることを報告した。ミクログリアが誘導型NO合成酵素を発現することから、活性化したミクログリアが産生したNOを捉えたものと考えられる。そこで今年度は、カテプシンD欠損に伴うミクログリアの活性化機構について検討を加えた。ミクログリアにおいて生後16日目以降、誘導型NO合成酵素の発現、ミトコンドリアATP合成酵素サブユニットCのリソソーム内蓄積、ならびにセロイド/リポフスチンの形成が経時的にほぼ平行して生じることが明かとなった。これらの結果より、カテプシンD欠損によるサブユニットCのリソソーム内蓄積によってセロイド/リポフスチンの形成が促進され、さらにその結果としてミクログリアの活性化による誘導型NO合成酵素の発現が生じたことが強く示唆された。そこで次に初代培養ミクログリアを用い、この可能性についての検討を行った。カテプシンD阻害剤であるペプスタチンAを初代培養ミクログリアに適用するとサブユニットCのリソソーム内蓄積が観察された。またこれと同時に細胞内において過酸化水素やNOの産生が検出され、細胞内酸化ストレスが増加していることが明かとなった。最近、細胞内ストレスによるp38MAPキナーゼの活性化が新たな細胞内シグナリングの経路として注目を集めている。そこでp38MAPキナーゼの活性化についてウエスタン法により検討した結果、ペプスタチンAの適用により初代培養ミクログリアにおいてp38MAPキナーゼの活性化が生じ、この活性化はNADPH阻害剤であるDPIにより抑制されることが明らかとなった。以上の結果より、カテプシンD欠損に伴うミクログリアにおける誘導型NO合成酵素の発現は次のような一連の機序によることが強く示唆された:(1)カテプシンD欠損によるサブユニットCのリソソーム内における蓄積、(2)サブユニットCを核としたセロイド/リポフスチンの形成、(3)セロイド/リポフスチンの形成に伴う細胞内酸化ストレスの増大によるp38MAPキナーゼの活性化、(4)p38MAPキナーゼの活性化による誘導型NO合成酵素の発現誘導。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)