Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
動物が状況に応じて適切に行動を選択し発現する神経生理機構の解明を目指してきた.一酸化窒素(NO)は神経伝達の修飾機構に関与するばかりではく,学習や記憶の基盤となる神経の可塑性に重要な役割を担う生理活性物質である.行動の切り換えや発現の神経生理機構においてNO/cGMPシグナルの中枢神経系での役割について昆虫をモデル動物として行動学実験,薬理学実験,生化学実験を行った. コオロギの喧嘩行動の切り換えと発現機構にはNO/cGMPカスケードが関与することが薬理行動学実験から明らかになってきた.そこで,NOの脳内発現機構を調べる第一段階として,コオロギのNO合成酵素mRNAの塩基配列を部分配列を決定し結果をGenBankに登録した(AB245472).この結果を基にin situ hybridization法によりNOS細胞の局在を調査中である. また,行動学的な実験では,行動履歴が行動発現にいかに関与するのかを雌雄の行動パタンを比較しながら検討してきた.これまで,オスのコオロギの喧嘩行動については多くの研究者が研究を行ってきたが,メス同士の喧嘩行動についてはよく知られていなかった.今回,メスのコオロギ同士も,オス同様に喧嘩をすることが行動学実験から証明することができた.オスのコオロギは相手の体表物質によって喧嘩行動を解発するが,メスでは別の信号が鍵刺激になることが示唆された.さらに,喧嘩行動のパタンはオスと類似することから,喧嘩を発現する脳内回路はオスとメスでは共有していると考えられ,今後は,その神経回路がいかに選択されて行動が発現するかを調べる必要が生じた.
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