東アジアおよび西部北太平洋エアロゾル中の極性有機物に関する研究
Project/Area Number |
04F04327
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Geochemistry/Astrochemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Host Researcher |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
WANG Gehui 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 中国都市エアロゾル / 南京 / 有機物 / アルカン / 脂肪酸 / レボグルコサン / 化石燃料の燃焼 / 光化学反応生成物 / エアロゾル / 化学燃料の燃焼 |
Research Abstract |
本研究では、中国の15都市で採取したエアロゾル試料を分析し、炭化水素(ノルマルアルカン、多環芳香族炭化水素、UCM,ホパン炭化水素)、フタレート、脂肪酸、脂肪族アルコール、ステロール、リグニン・松脂生成物、糖類、ポリオール・ポリカルボン酸、低分子ジカルボン酸を含む各種有機物組成の夏と冬における分布の特徴付けをおこなった。以下に、研究成果を要約する。 1.検出された炭化水素および含酸素有機物の濃度は、西安・重慶など中国中西部においてしばしば10μm^<-3>を超える極めて高い値を示すことがわかった。このように高い有機エアロゾル濃度のはこれまでに欧米や日本では報告例がない。これらはPM2.5エアロゾル質量の2-7%を占める。また、エアロゾル有機炭素の7-12%に相当する。 2.とりわけ冬において高い濃度が観測されたが、有機物組成の解析からその主な原因は石炭を中心とした化石燃料の燃焼、生物燃料の燃焼が考えられた。これは冬期における暖房など燃焼の寄与とともに冬期の逆転層の形成による汚染物質の大気中での蓄積が主な原因である。 3.夏には、フタレートの濃度が著しく増加した。この傾向は全ての都市において認められた。フタレートはプラスチックの可塑剤として広く使われており(プラスチック中に数十%の割合で含まれている)、中国におけるプラスチック製品の使用が著しく増加していることを示唆する。 4.ジカルボン酸類の濃度も夏に増加したが、中国北部に限られていた。南部ではむしろ冬に濃度が高くなった。北部では、夏と冬の気温差が大きいことから夏場における二次有機エアロゾルの生成が南部にくらべて相対的に大きいと考えられる。一方、南部では冬期の化石燃料からのジカルボン酸の前駆体(揮発性有機物)の放出量の増大し光化学反応によるジカルボン酸の二次的生成に大きく寄与している可能性がある。南部では冬でも気温が十分に高くまた日射も強いため、冬期におけるジカルボン酸の二次的生成は北部にくらべてより強く起こっていると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)