Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究では次世代導電性接着剤や電子回路のファインパタニング採用に期待されている貴金属ナノ粒子の中で最も有望な銀ナノ粒子ペーストの開発及び焼結過程を環境調和技術,電子実装技術,ナノ材料合成技術を融合した新しい観点から調べ,新概念の電子実装用ナノペーストの開発を試みた. 今年度は,商業用銀ナノペーストの焼結過程と当研究で作製した銀ナノ粒子の基礎特性について調べ,新概念の電子実装用ナノペースト開発の基礎研究を行った.商業用銀ナノペーストは焼結過程の熱分析,電気抵抗測定などを通して,焼結プロセスを把握した.銀ナノペーストは焼結過程を調べるため,180℃から250℃までの温度区間で30分間保持後,焼結程度を走査型電子顕微鏡(SEM)と透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した.電気特性はナノペーストを銅板や基板材上に印刷し,焼結処理を行った後,4端子法で電気抵抗を測定した.直径10nm程度の銀粒子が均一に分散しているペーストを熱分析により調べた結果,200℃で分散剤の分離開始が確認され,200℃以上の温度で焼結可能であることがわかった.180から250℃までの温度で1時間まで保持した後,電気抵抗を測定した.電気抵抗は200〜250℃の温度区間で保持した場合,時間の経過と共に徐々に低下した.特に220℃以上の温度では,1×10^<-5>Ω・cmまで下がった.なお,組織観察でも焼結が進んでいることが確認された.一方,180℃保持では,1時間経過後も比較的に高い抵抗値を示し,より長時間保持でも電気抵抗の低下は見られなかった.組織観察でも微細な銀粒子だけが存在することがわかり,焼結温度としては適切ではないことが明らかになった.これらの結果から,最適な焼結温度範囲は220〜250℃であることがわかった. さらに低温で焼結可能な銀ペーストを作製するため,新しい銀粒子を硝酸銀溶液を化学的処理してコロイド状に析出させる手法で合成した結果,直径1〜30nm程度のナノ粒子の作製に成功した.
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