マツ枯れ伝播者、マツノマダラカミキリの駆除法としての昆虫病原性線虫類の利用法の確立
Project/Area Number |
04F04473
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
林学・森林工学
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
二井 一禎 京都大学, 農学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
PHAN Long Ke 京都大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
PHAN Longke 京都大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 昆虫病原性線虫 / マツノマダラカミキリ / マツ材線虫病 / 探索型 / 待ち伏せ型 / 生物防除 / 生物的防除法 / ヤシオサゾウ / 樹皮下幼虫 / マツノザイセンチュウ / ハチミツガ / 伝播経路 / 防除 |
Research Abstract |
マツ類樹木に集団的枯損をもたらすマツ材線虫病を防除するため、この流行病の媒介者であるマツノマダラカミキリに焦点を合わせた生物学的防除法の開発を試みた。用いた防除因子は、昆虫病原性線虫(Entomopathogenic nematode)とよばれる線虫類で、本研究では最初にこの線虫類を各地の土壌から分離培養する実験から始めた。また、同時にいくつかの研究機関から複数の種の昆虫病原性線虫の分譲を受け、これらを用いて以下の実験を行った。(1)線虫密度を数段階に調整し、それらをシャーレの中に放虫したマツノマダラカミキリ幼虫に接種し、殺虫速度を決定した。(2)この際、線虫種間の殺虫効率の違いについても比較した。 次に、ここで、マツノマダラカミキリ殺虫効率に著しい差が見られた2種の線虫について、その違いの原因を探るため、簡単な実験系を用いた行動実験を実施し、その違いが2種の線虫の行動力の違いに基づいていることを明らかにした。つまり、殺虫効率の高い線虫はいわゆる"探索型"で、媒体内を活発に移動し、マツノマダラカミキリに到達するのに比べ、殺虫効率の低い線虫は媒体内移動力が乏しい"待ち伏せ型"であった。この実験結果は、野外における防除手段として昆虫病原性線虫を用いる場合、運動力の大きな探索型を用いなければならないこと、さらには、標的となるカミキリが材内深くに移動するまでの適期を選ぶ必要があることを示唆するものである。 さらに、われわれは、このような昆虫病原性線虫を用いて、九州地方で問題化しているヤシオサゾウムシの駆除法の開発を試みた。この研究は鹿児島大学の研究者と共同で行われたが、この場合においても、上記のケースとほぼ同様に、探索型の線虫の使用が重要であること、さらには、標的昆虫の存在部位の重要性が明らかになった。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)