Project/Area Number |
04F04483
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Nagoya University |
Host Researcher |
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
BARI Farida Yeasmin 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 低栄養 / エネルギー基質 / 遊離脂肪酸 / 上位細胞 / 膜受容体 / LH分泌 / 性腺刺激ホルモン |
Research Abstract |
栄養は繁殖機能に影響を与える環境因子の中でもっとも強力で、産業的にはもっとも重要な因子である。実際、発展途上国において、飼料の不足は発情周期の乱れ、性成熟の遅延あるいは泌乳期の無発情などさまざまな繁殖機能の異常を引き起こし、生産性に重篤な影響を与えている。 本研究はバングラデシュの畜産においても重大な問題となっている栄養と繁殖の問題について、神経内分泌学的なアプローチによってメカニズムの解明を行おうとするものである。このため、受入研究者の研究室で行われてきた手法により、ラットをモデル動物として用い、主に低栄養時において血中で変化するエネルギー基質、特に遊離脂肪酸が脳においてシグナル分子として働いているかどうかを検討する。 このため、脳によって感知され、繁殖機能や摂食行動を制御しているエネルギー基質として遊離脂肪酸に焦点を当てて、実験を開始した。遊離脂肪酸は末梢の体細胞ではエネルギーとして働いているが、飢餓状態など低栄養条件になると体脂肪の分解に伴って血中に増加してくることから、何らかの役割を果たしている可能性がある。 本年度は、われわれが血糖感知細胞と同定している後脳の上衣細胞が遊離脂肪酸をも感知するエネルギー感知細胞であることをin vivoの実験系を用いて示すことを目標とした。脂肪酸受容体であるGPR40がRT-PCRにより雄ラットの上衣細胞に同定されたので、脳脊髄液中の脂肪酸が膜受容体を介してセンシングされるという仮定の下、phospholipase Cの阻害剤を第4脳室に投与して、LH分泌に及ぼす影響を検討した。その結果、同阻害剤の投与により、LH分泌は用量依存的に抑制された。このことから、脂肪酸はGPR40をはじめとした脂肪酸の膜受容体により受容され、phospholipase Cを含む細胞内情報伝達系により感知され、LH分泌の調節に関与していることが示された。現在、in vitroにおいて、この系の上衣細胞における存在を検討中である。
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