線虫モデルによる微生物の抗菌ペプチドに対する耐性機構の研究
Project/Area Number |
04F04546
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Host Researcher |
加藤 祐輔 独立行政法人農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ・発生機構研究チーム, 主任研究官
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Foreign Research Fellow |
ZHANG Hong 独立行政法人農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ・発生機構研究チーム, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 抗微生物ペプチド / 抗生物質耐性 / ブドウ球菌 / C.エレガンス / ASABF / セクロピン / シグマ因子 / MRSA |
Research Abstract |
(1)ストレス応答性シグマ因子sigBによる抗菌ペプチド耐性機構の解明:昨年度までに、sigBを過剰発現させた黄色ブドウ球菌が、抗菌ペプチド耐性を示すことを明らかにした。sigBは、多くの遺伝子の発現を一括して制御する転写因子であることから、耐性を示す本体となる遺伝子は、その下流にあると考えられる。sigBを誘導する高塩ストレス条件下で、膜を構成する脂質であるカルディオリピンの含量が著しく増加することが、明らかになった。カルディオリピンは、多くの抗菌ペプチドが親和性を示し、それを標的に選択毒性を発揮する可能性が示唆されている。カルディオリピン合成酵素が、sigBによる耐性の本体である可能性がある。現在、この酵素の遺伝子についてノックアウト系統を作出することを試みている。 (2)sigB過剰発現系統の病原性の検定:線虫C.エレガンスに対して、sigBを過剰発現させた黄色ブドウ球菌系統(NKSBn)は、親株(NKSB)に比べて、有意に高い病原性を示すことを見いだした。 (3)sigB過剰発現系統のASABF以外の抗菌ペプチドに対する耐性の検定:新たに見いだした線虫cecropin(αヘリックス型)に対しても、有意な耐性を示すことを見いだした。 (4)新しい抗菌ペプチド耐性因子の探索:昨年度に引き続き、スクリーニングを進めたが、最終的に抗菌ペプチド耐性因子と判定されるものを得るには至らなかった。 (5)新しく見いだした線虫抗菌ペプチドの特性の解明と、微生物の耐性機構の解明:(3)に記述した通り、sigB過剰発現株は、線虫cecropinに対しても、耐性を示した。従って、sigBによる耐性は、特定の構造をもつ抗菌ペプチドに対するものではなく、非特異的に対応できる機構によると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)