重窒素トレーサー法を用いた土壌微生物による亜酸化窒素発生機作の解明
Project/Area Number |
04F04579
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Host Researcher |
八木 一行 独立行政法人農業環境技術研究所, 物質循環研究領域, 主任研究員
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Foreign Research Fellow |
DING Weixin 独立行政法人農業環境技術研究所, 物質循環研究領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 地球温暖化 / 亜酸化窒素 / 一酸化二窒素 / 窒素肥料 / 重窒素トレーサー法 / 硝化 / 土壌 |
Research Abstract |
本研究においては、土壌からの微生物反応による亜酸化窒素(N_2O)発生メカニズムを明らかにすることを目的とする。そのため、まず、予備試験により、土壌培養実験による測定系と同位体比質量分析計を用いた分析系を確立した。これらの方法を用いて、黒ボク土畑においてハクサイを栽培した際の土壌を施肥直前および施肥後に採取し、重窒素(^<15>N)で標識されたアンモニウム態窒素(NH_4-N)と硝酸態窒素(NO_3-N)を個別に土壌に添加して培養実験を行い、N_2Oや他の生成物の^<15>N存在比を測定した。また、窒素肥料の施用と田畑輪換がN_2O発生に及ぼす影響を同様の培養実験により調べた。 その結果、0dayおよび4dayの土壌ではN_2O生成ピークが培養12-14日後に見られたのに対し、36dayおよび72dayの土壌では培養2-5日後に見られた。36dayおよび72dayの土壌におけるNH_4-N起源のN_2O生成量は、0dayおよび4dayの土壌に比べて著しく多かった。このことは、窒素施肥は硝化菌の硝化活性とN_2O生成活性を速やかには高めず、ある程度の時間が必要であることを示している。一方、NOの生成はNH_4-N起源のN_2O生成量と負の相関が見られた。このことから、施肥にともなう硝化活性の影響に対し、亜硝酸酸化過程が律速段階になっていることが示唆された。転換畑についての試験では、尿素による基肥は土壌の硝化活性や施用窒素に対するN_2O発生量の比に影響を及ぼさないことが示された。また、アンモニア酸化に関与する主要な微生物はNitrosospira cluster 1であり、施肥前後、および施肥量の違いによる変化は見られなかった。このことから、灰色低地土転換畑における窒素施肥は土壌のアンモニア酸化微生物組成やN_2O発生メカニズムに及ぼす影響は小さいと考えられた。 上記の圃場試験および培養実験を行うとともに、中国やわが国における施肥土壌からのN_2O発生に関するデータを収集し、気候・土壌条件や栽培管理に伴うN_2O発生量の違いについて比較を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)