ペロフスカイト型マンガン酸化物におけるAサイトランダムネスと構造及び物性の関係
Project/Area Number |
04F04681
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 寛 東京大学, 物性研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Chang 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ペロフスカイトマンガン酸化物 / バナジウム酸化物 / 結晶構造 / 磁性 / 遷移金属酸化物 / ペロフスカイトMn酸化物 / Aサイトランダムネス / 巨大磁気抵抗効果 / 電荷軌道整列 / 金属絶縁体転移 |
Research Abstract |
ペロフスカイト型マンガン酸化物では、電荷軌道整列や巨大磁気抵抗効果などの顕著な性質とAサイトに2価と3価のイオンが混在する局所的な電荷・構造の乱れとの関係が問題となっている。そこで、当初、色々なAサイトランダムネスを持つ試料の湿式低温合成に挑んだが、純粋な試料を得るごとが困難であった。そこで、従来の乾式による合成を行い、その構造および電磁気物性の評価を行った。Aサイトが秩序化している状態では電荷軌道整列状態が安定で、そこで、少しの乱れを導入することにより、室温での巨大磁気抵抗を実現させることに成功した。一方、新規バナジウム酸化物の開発研究を行い、V_3O_7の単結晶育成に成功し、その磁気異方性を明らかにした。結果、この物質は強磁性相互作用を主にした反強磁性体であり、低磁場で容易にスピンフロップを示すことを明らかにした。また、その結晶構造から磁気相互作用を類推し、スピン構造を提唱した。また、合成が困難で構造および物性が未知であったV_4O_9についてV_2O_5のSによる還元を利用した低温合成に成功し、粉末X線回折および電子顕微鏡観察を基に、その大まかな構造の決定に成功した。その構造は、V_2O_5から酸素を取り除きその空格子点を秩序配列したブロック構造を持ち、従来考えられていたシア構造ではないことを明らかにした。伝導性からはこの物質が絶縁体で、磁気的には、バナジウム酸化物には珍しいスピンギャップ系であることを見出した。構造との関係から、それがV^<4+>-V^<4+>ダイマーに起因することを提唱した。これらの成果は、現在、論文を準備中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)