Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究は,現地観測結果を背景に,強風,高波浪を伴う荒天時の影響を取り込んだ長期海浜変形モデルを構築するものである.これまでの長期海浜変形モデルは波浪を主外力とするもののみで,日本海沿岸のように,海上風と波浪との両外力に支配されるような海浜変形予測には適用できないことがわかってきた.中部日本海における京都大学防災研究所の最近の観測結果から,風・波・流れ連結系での長期海浜変形モデルの開発の必要性が指摘されるようになってきている.ここでは,研究員がルンド大学で行ってきた,n-lineモデルによる長期海浜変形の地形動力学モデルに,京都大学防災研究所で行ってきた広域海浜流,広域漂砂の理論を導入し,強風,高波浪下での広域海浜流特性を考慮した長期海浜変形モデルの構築を目指す. 本研究で構築されたモデルには,海上風による吹送流の発生が組み込まれており,荒天時に発生する非常に強い沿岸方向の流れ場が考慮されている.この流れにより引き起こされる土砂の移動は沿岸域の広範囲に及ぶことが予想され,長期的な視点においてはその影響を考慮する必要がある.波浪および海水流動に基づく漂砂量の算定では,波浪の影響に吹送流の影響を加え,さらに波の運動と土砂の移動の時間差を考慮したモデルを用いている.土砂収支に基づく地形変化モデルには,長期間および広範囲を対象とするため,対象領域をいくつかのブロックに分けており,そのブロック間での土砂収支により地形変化が表現されている.このモデルにより,強い海上風を伴う条件下では,波浪のみを考慮した条件よりも広範囲に,より大きな土砂輸送が発生することが示されている.また,海岸構造物等により沿岸方向の漂砂が遮られた場合には,その影響が下手側の広い範囲に広がることが示され,岸近くの領域にとって沖側の境界条件が大きく変化する可能性が示された.
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