堆積物のESR年代測定:第四紀における気候変動,考古学的応用
Project/Area Number |
04F04808
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Geology
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Research Institution | Okayama University of Science |
Host Researcher |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 助教授
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Foreign Research Fellow |
HELENE Tissoux 岡山理科大学, 理学部, 外国人特別研究員
TISSOUX Helene 岡山理科大学, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / ESR / 石英 / 年代測定 / 堆積 / 堆積物 / 古環境変動 / 光ブリーチ |
Research Abstract |
地層の堆積物が堆積した年代を知ることは、過去の地球環境の研究において、また考古遺跡の研究において不可欠な情報である。ESR(電子スピン共鳴)年代測定法を地表に普遍的に存在する石英に適用することによって堆積年代を求める試みが、石英に不純物として含まれるアルミニウムに関連した不純物中心(不対電子の状態)を検出することによって行われてきた。本研究では、光によってより消去されやすい、石英に含まれるチタンに関連した不純物中心を用いて堆積物のESR年代測定を試みた。このために、フランス、日本、沖縄、韓国の数種類の河川性、海成の堆積物についてESR信号の生成、消滅の基礎実験と、その成果をもとに、ESR年代測定を試みた。 石英中の不純物中心は、波長の短い紫外線によって消去されることがわかり、実験的に消去を行うためには紫外線を用いることが適当であることがわかった。室内実験では、水素を伴うチタン中心が最も早く紫外線照射によって消滅し、次にリチウムを伴うチタン中心、アルミニウム中心の順で消滅する。従って、原理的には複数の光に対する安定性の異なる中心で年代が一致することが、堆積時に完全に光による消去が行われていたことを保証するという"multiple center method"の適当性が明らかとなった。しかし、実際の自然の試料へ年代測定を適用する実験から、自然では単純にこれらの点が成り立っていないことがわかった。試料によっては堆積時に完全に消滅していない、あるいは、信号によっては年代の過大評価となる場合もあった。今後、さらに研究を進め、地質学的時間における石英中の不純物中心同士の電子、ホールのやり取りの過程を明らかにすることが年代測定の確立に必要であろう。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] ESR dating of fluvial quartz : estimate of the minimal distance transport required for getting a maximum optical bleaching
Author(s)
Voinche, P., Mercie, D., Falgueres, C., Tissoux, H., Bahain, J.J., Despriec, J.
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Journal Title
Quaternary Geochronolgy (in press)
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