ナノ構造炭素を用いた電気2重層スーパーキャパシタの開発
Project/Area Number |
04F04851
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Host Researcher |
児玉 昌也 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員
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Foreign Research Fellow |
DENISA Hulicova Jurcakova 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | キャパシタ / ナノカーボン / 電気化学 / 窒素含有炭素 / メラミン |
Research Abstract |
電気2重層スーパーキャパシタ用炭素電極の開発を目的として、炭素材料のナノ構造制御と異元素ドーピングによる高性能化を目指して研究を行った。特にドーピング元素として窒素に着目し、炭素骨格中に窒素原子を含んだ含窒素炭素材料の調製法を検討し、更にそのキャパシタ特性の評価を行った。 その結果、炭素前駆体として分子内に窒素を含む有機化合物であるメラミン(2,3,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)をホルムアルデヒドにより重合した、いわゆるメラミン樹種が適していることに着目し、更に重合時に層状化合物でフッ素マイカを添加することで、導電性に優れたミクロ層状構造を持つ窒素含有炭素材料が得られることを見いだした。このようにして調製した炭素材料は、元素分析等の結果から窒素分を20wt%以常含有することが判明した。さらに窒素原子は炭素骨格内に3級または4級の形で置換されていることがX線光電子分光法によりわかった。炭素材料中に窒素原子を導入する手段としては幾つかのの方法が知られているが、我々がここで行ったものは、簡便でかつ大量の窒素分を炭素中に添加することができるという意味で注目に値する成果である。 続いて上記の窒素含有炭素材料を用いて電極を作成し、硫酸電解液中におけるキャパシタンスの測定を行ったところ、良好な充放電特性を示し、150〜200F/gの高い容量を示すことがわかった。この値は市販の活性炭電極に匹敵する値であり、特に単位表面積あたりのキャパシタンスは、活性炭の数倍〜10数倍の値であることが判明した。このような大きなキャパシタンス発現は、電気2重層容量に加え、電気化学的反応に基づく相当量の擬似容量が発現していると考えざるを得ない。種々の詳細な検討を行った結果、電解液中に存在するプロトンと炭素中の窒素原子の相互作用が高いキャパシタンスの原因であることが考えられた。このような電気化学反応を伴う容量はサイクル特性に難があることが知られているが、本材料においては良好なサイクル特性が実現できることも明らかとなった。さらにこの材料はアルカリ性電解液中でも同様の高いキャパシタンスを示すことがわかった。中性電解液中では大きな容量が得られないことから、酸性におけるプロトンのみならず、アルカリ溶液中に存在する何らかの化学種と窒素原子との電気化学反応の可能性も示唆された。これらの結果を国際学会および国内学会で積極的に報告するとともに、成果を記した報文を提出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)