近代王権表象の歴史・比較社会学的研究-近代日本のマスメディアを事例として-
Project/Area Number |
04J00120
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
右田 裕規 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 天皇制 / 皇室報道 / 皇室観 / 脱政治化 / 家庭 / マスメディア / 進化論 / 女性 |
Research Abstract |
本年度は、1920-40年代の皇室観・皇室報道(とそれにたいする政治的統制)の特徴を中心に、調査・研究を実施した(主たる調査対象は、戦前の主要全国紙8紙による皇室報道、戦前のマスコミ・警察関係者による回想自伝類、同期間に行われた意識調査など。調査活動は京都大学付属の各図書室と国立国会図書館を中心に行なった)。具体的なテーマとしたのは、とくに次の二点となっている。すなわち、(1)昭和天皇の生物研究にまつわる報道とその裏面での政府の動向、(2)日中戦争勃発以降のマスメディアの流した皇室報道と民衆の皇室観の実態、である。(1)については、20-30年代の昭和天皇の生物研究をめぐるマスメディアの報道活動が、官僚・軍部側の積極的な協力のもとに展開されていたことを具体的に証する、経験的な資料の収集を進めていった。これによって、1920年代以降の「御研究」報道の大量流布という事態が、一次大戦以降の科学行政の積極的転換と明瞭に連動した事象であったという、本研究における知見を、資料の側面から、いっそう精緻化することができたと考える。(2)にかんしては、戦時政府による皇室報道・皇室観の政治的統制の苛烈さにもかかわらず、戦時の民衆の皇室観そうしてマスメディアの皇室報道の内にも、1900-20年代と連続する、世俗的でモダンな性格があるていど残存していたことを立証する経験的資料の収集を進めていった。これによって、皇室報道もしくは皇室観の位相から捉えた場合の近代天皇制と戦後天皇制との連続性という、本研究の基本的な枠組みを、補完することができたと考える。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)