コムギ耐病性物質環状ヒドロキサム酸類の発現機構の分子遺伝学的解明
Project/Area Number |
04J00377
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 泰治 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 環状ヒドロキサム酸類 / 生合成遺伝子 / コムギ / 倍数性 / ゲノム / 遺伝子現制御 / プロモーター / 遺伝子発現制御 / 同祖遺伝子 |
Research Abstract |
6倍性植物であるパンコムギ(genome ; AABBDD)は耐病性に関与する二次代謝化合物である環状ヒドロキサム酸類(Hx)を生成、蓄積する。5種のHx生合成遺伝子(TaBx1-TaBx5)の発現レベルはパンコムギの3ゲノム間で異なる。しかし、プロモーター活性にはゲノム間で大きな差がないことをTaBx3およびTaBx4遺伝子についてこれまで明らかにしている。プロモーターの活性評価に用いたトランジェント発現系では導入された発現ベクターが染色体に組み込まれないため、種々のクロマチン修飾が発現調節に関わる遺伝子の場合、本来の発現調節を再現することができない。このことから、遺伝子発現のゲノム間差異はクロマチン修飾のゲノム間差異に起因する可能性が考えられた。そこでまず、TaBx4遺伝子のプロモーター領域約300bpについてbisulfite genomic sequencingを行い、シトシンのメチル化レベルを解析した。しかし、解析領域におけるメチル化は極めて低レベルでしか起こっておらず、発現レベルが低いAおよびDゲノム上の遺伝子と高レベルに発現しているBゲノム上の遺伝子の間で、メチル化頻度に差異は認められなかった。このことから、パンコムギゲノム間の遺伝子発現差異は少なくともシトシンのメチル化が原因ではないことが示唆された。近年、ヒストンH3およびH4タンパク質のN末端領域のリジン残基のメチル化やアセチル化が遺伝子発現制御に深く関わっていることが明らかにされている。今後はクロマチン免疫沈降法によって、パンコムギゲノム間の遺伝子発現差異にこれらの修飾が関与している可能性を検証していく必要があると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)