オートファジーにおける膜新生過程での脂質の役割の解明
Project/Area Number |
04J00398
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
濱崎 万穂 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | オートファジー / オートファゴソーム / 膜輸送 / 飢餓 / エンドソーム / ゴルジ体 / 小胞 / 饑餓 / 小胞輸送 / ゴルジ / 液胞 / PI3P / ER |
Research Abstract |
オートファジーは真核細胞が飢餓条件下に栄養源を確保するために誘導される細胞応答機構として見つけられた。オートファジーが誘導されると、自身の細胞質構成成分を非選択的にオートファゴソームと呼ばれる膜構造が囲い込み、それが分解コンパートメントと融合し取り込んだものを分解することで、生存維持遂行に必須の新たな糧を生み出す。オートファゴソームは脂質二重層を2重にもつユニークな膜構造体で大きさも平均500nmと大きく、既存のオルガネラから出芽し細胞内輸送を担う小胞とは構造、サイズ共に大きく異なる。現在所属する研究室では、オートファゴソーム形成に関与する一群の蛋白質(Atg)を単離しており、プロテインキナーゼ、PI3 kinase、2つのユビキチン結合類似システム等の反応系の関与が明らかにされた。しかしながら、これらの蛋白質のオートファゴソーム膜形成過程でどのように関与するのか、また膜形成がどのようにおこるのか、膜の供給源はどうなっているのか未だ謎が多い。私はオートファゴソーム膜の由来の同定を目指し研究を行ってきた。 以前にオートファゴソーム膜形成時に液胞膜成分が使われているという知見を得ている。液胞膜は、エンドソームやゴルジ体とも連絡があり分子が往来している。この往来に機能している蛋白質が実はオートファゴソームの膜形成にもきいていることを見いだした。通常、細胞質でできたオートファゴソームは液胞に運ばれオートファゴソームの二重膜のうち外膜が液胞膜と融合する。その際に細胞質を取り囲んだ内膜は液胞内に放出される。この構造体をオートファジックボディと呼ぶが、液胞〜エンドソーム/ゴルジ体間の往来に必要な因子の欠損株では、オートファジックボディは液胞内へ放出されず液胞膜に沿った状態で停止していた。しかし、この変異株で形成されたオートファゴソームは、内容物がもれない構造体にはなっていたので、オートファゴソーム膜が形成される際、二重膜は形成されるが伸長してできた膜の最後の融合が不完全である可能性が考えられる。これまでオートファゴソーム膜形成過程の途中で停止する変異株は知られておらず、非常に興味深い。二重膜がどのように形成されるか様々な説があるが、少なくともこの発見からオートファゴソームはいくつもの小胞が集まり融合して形成されるものでない可能性がうかがえる。またこの往来機能蛋白質は液胞膜上にも存在していることから、液胞膜がオートファゴソーム膜形成にどのように関与しているのかを明らかにする手がかりとなりうる。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)