真核細胞におけるABCタンパク質のアルカロイド輸送方向決定の分子機構
Project/Area Number |
04J00405
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
士反 伸和 京都大学, 生物圏研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ABC / トランスポーター / MDR / ベルベリン / アルカロイド / 輸送 |
Research Abstract |
本研究においては真核生物ABCタンパク質の輸送方向を決定する因子の同定を目的としている。始めにキンポウゲ科薬用植物アキカラマツから単離したABCタンパク質TmMDR1,2の発現解析を行った。両遺伝子は植物体において茎で発現が高く、またベルベリン分泌能の高い培養細胞においてより強い発現を示した。昆虫細胞では発現が観察されなかったため、前年度同様酵母を用いて解析を行った。ウェスタン解析によりTmMDR1の酵母での発現を確認し、前年度までの酵母機能解析の結果を踏まえ、輸送方向決定の具体的なアミノ酸の同定までは至らなかったが、タンパク質のN末端及び中央付近に輸送方向決定に関与するペプチド部分があることが示唆される研究となった(投稿準備中)。 さらに今年度は他のベルベリン輸送ABCタンパク質の探索を行った。ベルベリン取込みABCタンパク質CjMDR1と相同性の高いCjMDR2を酵母で発現させたところ、ベルベリン感受性を示し、取込み体であることを証明した(投稿準備中)。一方全ゲノム配列の決定された分裂酵母の解析を行った結果、abc2、abc4の二つのABCタンパク質がベルベリン排出型ABCタンパク質であることが判明した(投稿準備中)。ヒトMDR1のベルベリン輸送能を検討した所、ヒトKB細胞においてMDR1を発現させた場合、コントロール細胞と比べてベルベリンの細胞内への蓄積は顕著に少なかった。この細胞内蓄積量の低下はATP依存的かつ、MDR1の各種阻害剤により阻害されたことから、ヒトMDR1はベルベリンを基質として細胞外に排出していることが強く示唆された(2007年BBBにて発表)。 これら研究により、ベルベリンの排出体及び取込み体タンパク質を複数取得することができた。また、輸送方向決定に関与する可能性のある部位の同定まで至り、ABCタンパク質において先駆的な研究を果たしたと考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)