植物に新しく見出された昆虫に対する被食防衛機構の多面的解析
Project/Area Number |
04J00439
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
松島 良 京都大学, 生態学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | シロイヌナズナ / 緑色蛍光タンパク質 / ER body / β-グルコシダーゼ / レクチン / 小胞体 / ジャスモン酸 / 転写制御因子 |
Research Abstract |
シロイヌナズナに見出されるER bodyは長さ〜10μm、幅〜1μmの細長い形態を示す小胞体由来の新規構造体である。研究代表者が以前単離したnail変異体は、ER bodyがほとんど発達しない変異体である。nail変異の原因遺伝子であるNAIl遺伝子は、転写制御因子として機能することが知られているタンパク質をコードしていた。GFP-h植物体とnail変異体のタンパク質組成を比較解析した結果、PYK10と呼ばれるβ-グルコシダーゼと糖鎖結合タンパク質(レクチン)と相同性を有するAt3g16420タンパク質がnail変異体では欠失していた。PYK10とAt3g16420タンパク質のmRNAがnail変異体では減少していることから、NAIlタンパク質は、PYK10とAt3g16420タンパク質の量を転写レベルで制御していると考えられた。植物でこれまでに報告されているβ-グルコシダーゼの多くは、植食性昆虫もしくは病害細菌に対する植物の防御機構に関与している。また、植物由来のレクチンの多くも、植物の被食防御機構に寄与していることが知られている。実際、PYK10とAt3g16420タンパク質は、植物の傷害、食害応答に関する植物ホルモンであるジャスモン酸の処理によって、発現が誘導されることを見出した。一方、植食性生物を用いた実験を行う事により、植物の抵抗性反応に関する新しい現象を発見した農業害虫として知られるハダニを野外で採集し、実験室での分子生物学的、化学生態学的な解析を行った結果、ハダニには、植物に抵抗性反応を誘導する系統と誘導しない系統が存在していることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)