車籠埔断層の物質科学的研究と1999年台湾集集地震の発生機構の解明
Project/Area Number |
04J00610
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷川 亘 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 台湾集集地震 / 断層 / 摩擦係数 / 浸透係数 / 貯留係数 / 間隙水圧 / 集集地震 / 台湾 / 浸透率 / 異常間隙水圧 |
Research Abstract |
1999年の台湾集集地震は,北部と南部において地震挙動に大きな違いが認められた.また地震断層である車籠埔断層の北部と南部において浅部断層掘削が行われ,断層帯の内部構造において,北部と南部で非常に顕著な違いが認められた.そのため断層岩の物性の違いにより地震挙動の違いが引き起こされた可能性が高い.そこで本研究では,室内試験により断層帯の流体移動特性および高速摩擦特性を調べ,その結果をもとにthermal pressurizationの解析を行い,地震すべり挙動の推定および集集地震との比較を行った.北部と南部の違いおよび深部方向における断層帯の多様性を調べるために,車籠埔断層北部および南部掘削コアおよび車籠埔断層,雙冬断層および水裏坑断層の地表露頭を研究対象とした. 車籠埔北部の断層帯の浸透係数は南部に比べて一桁ほど小さい値を示した.また車籠埔断層,水裏坑断層,雙冬断層という順に浸透係数は小さくなり,必ずしも深部ほど断層岩の浸透係数は小さくならないことを示唆する.一方,断層ガウジを用いた高速摩擦実験の結果,高速摩擦挙動の断層ごとにおける顕著な違いは認められず,断層の安定性を決める上で重要なパラメータである断層弱化距離Dcは6〜13mという値を示した.室内試験で求めた断層帯の流体移動特性と摩擦特性をもとに行った数値解析の結果,車籠埔断層南部はthermal pressurizationによる強度低下が全く起こらないのに対して,北部は有効的に働くことがわかった.また雙冬断層と水裏坑断層でもthermal pressurizationが有効に働くことを示し,車籠埔断層深部では急激な強度低下が起こることが予想される.Thermal pressurizationの解析結果は集集地震挙動と調和的であり,また解析結果から推定したDcは,地震波解析から求まるDcと非常に近い値を示した.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)