Project/Area Number |
04J00618
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
佐久間 史典 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 原子核有限密度 / カイラル対称性 / ベクターメソン / φメソン / E325 / 原子核依存性 / ρ / ωメソン / Geant4 |
Research Abstract |
本研究は、KEK-PSで行われたE325実験の解析を完遂し、原子核有限密度下における質量スペクトラムの変化をρ/ω/φなどのベクターメソンのe+e-チャンネル及びK+K-チャンネル崩壊で直接観測し、「カイラル対称性の部分的回復」を実験的に検証することを目的とする。本年度に行った研究内容は以下の通りである。 1.φ→e+e-の不変質量分布において、遅く動くφメソンで質量及び崩壊幅が変化していることを確かめた。QCD理論予想に基づく簡単なモデル計算との比較によると、原子核密度下においてφメソンの質量が真空中に比べ〜4%軽く、崩壊幅が自然崩壊幅の〜10倍広がっている時に我々のデータを説明できる傾向にあることが、予備的な解析の結果分かった。φメソンに対するこれらの観測は世界で初めてである。 2.φ→K+K-の不変質量分布の速度依存性を調べた。上述のe+e-で異常が確かめられた遅く動くφメソンのK+K-データは測定数が限られるために、統計的に有意な異常は見られなかった。他のより早く動くφメソンについても同様の結果が得られた。 3.φ→e+e-/K+K-の収量の原子核依存性を調べた。e+e-とK+K-の検出可能範囲が異なるため、「原子核依存性が(rapidity, pT)空間で平面分布をしている」という仮定の下、e+e-の原子核依存性をK+K-の原子核依存性へ外挿して比較した。その結果、我々の統計の範囲では両者に違いは認められなかった。
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