リポタンパク粒子表面の膜構造変化による代謝調節と動脈硬化の発生
Project/Area Number |
04J00770
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 真也 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | コレステロール / アポリポタンパクE / カイロミクロン / 動脈硬化 / マクロファージ / エマルション / DPH-PC / dansyl-PE / セラミド / マイクロドメイン / スフィンゴミエリン / スフィンゴミエリナーゼ / リポタンパク |
Research Abstract |
カイロミクロンレムナントは、粒子表面にコレステロールを多く含み、動脈硬化の発生に関わると考えられている。このメカニズムを調べるために、カイロミクロンレムナントのモデルとしてコレステロールを含む脂質エマルション粒子を用いた。その結果、J774マクロファージによるエマルション粒子の取り込みは、apoEの添加により増加したが、その増加はエマルション粒子表面にコレステロールを含むことで大きく現れた。また、阻害剤を用いた実験より、apoE存在下でのエマルション粒子のJ774マクロファージへの取り込みには、主にヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)とLDL受容体関連タンパク(LRP)が寄与していることが明らかとなった。そして、トリパンブルー染色から、apoEにより増加したコレステロール含有エマルションの取り込みは、J774マクロファージの細胞死を誘導することが示された。次に、apoEのエマルション粒子への結合を調べたところ、粒子表面のコレステロールによって、apoEの結合親和性は変化せずに最大結合量が著しく増加した。蛍光標識脂質DPH-PCを用いた蛍光異方性測定とdansyl-PEの蛍光寿命測定から、コレステロールは、粒子表面のリン脂質アシル鎖を整列させ、リン脂質頭部基の水和度を増加させることが示された。しかし、apoEの最大結合量は、DPH-PCの蛍光異方性とは相関せず、dansyl-PEの蛍光寿命と高い相関を示したことから、apoEの結合にはリン脂質頭部基の水和度すなわち頭部基の間隔が重要である。以上のことから、カイロミクロンレムナント中のコレステロール増加は、粒子表面の膜構造を変化させ、apoEの結合を増加させることにより、マクロファージへの取り込みを促進し、さらに細胞死を導くことで、動脈硬化の発生につながると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)