Project/Area Number |
04J00819
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 修平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 結晶工学 / 自己組織化 / 金属錯体 / π共役系 / 走査トンネル顕微鏡 / 結晶構造 / 酸化還元活性 / 磁性 |
Research Abstract |
分子の自己組織化能を利用し集積構造体を構築することは、分子レベルでのデバイス構築に向けて近年非常に注目を集めている。その中でも一般に結晶工学と呼ばれるビルディングブロック分子とその集積構造体の相関を研究することは構造制御に向けて不可欠である。これまで3次元結晶中において非常に多くの分子集積構造体の研究が行われてきており、単結晶X線構造解析によりその集積体の構造解析がなされている。しかしながら真の意味での分子デバイスを構築するためには、2次元界面での構造体構築が不可欠となる。そこで本研究では機能性のπ共役系分子に注目し、溶液中、結晶中、及び固液界面での自己組織化について研究を行った。以下その要点を述べる。 (1)溶液結晶中での研究 ヘキサアザトリフェニレン(HAT(CN)6)は6つのシアノ基を有する非常に大きなπ共役系分子であり、電子アクセプター性に優れた有機配位子である。そのHAT(CN)6、銅一価イオン、とフェロセン誘導体とを自己集合的に反応させ、アニオンラジカル状態と、中性状態のHAT(CN)6を含む二つのゼロ次元構造体を合成することに成功した。フェロセン部位に施した置換基の効果により、HAT(CN)6の配位モードを変化させることで、その集合構造のみならずHAT(CN)6の酸化還元電位にも影響を与え、結果として、HAT(CN)6の酸化状態をも変化させている事が明らかとなった。ここでは、自己集合というイベント自身に酸化状態の制御という機能を新たに追加したといえる。 (2)固液界面での研究 ジヒドロベンゾアヌレン(DBA)は平面性の高い大きなπ共役系分子である。ひし形と三角形のコア骨格を有するDBAを固液界面(グラファイト/トリクロロベンゼン)で自己集合させると前者はカゴメ格子構造、後者はハニカム構造になることを見出し、コア構造と集積構造体の相関を初めて明らかにすることに成功した。
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