核内でmRNAとして識別され、mRNA核外輸送の機能を担うシス配列の探索
Project/Area Number |
04J00891
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
増山 郁 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | mRNA / 核外輸送 / RNAスプライシング / 輸送因子 / アフリカツメガエル / RNAプロセシング / U snRNA |
Research Abstract |
高等真核生物において、核のゲノムにコードされるmRNAの多くは未成熟なmRNA前躯体として転写されるが、核内におけるスプライシングによるイントロンの除去やポリ(A)鎖の付加といった、RNAプロセシング過程を経て成熟mRNAとなり細胞質へ輸送される。近年の研究から、mRNAの核外輸送過程とRNAプロセシング過程が相互に関連していることが明らかになってきている。とりわけスプライシングはmRNA核外輸送に重要な役割を果たすことが知られている。Exonic Splicing Enhancer (ESE)配列はスプライシングを正に制御するシス配列として機能する。しかしESEによるスプライシングの制御がmRNA核外輸送にどのような役割を果たしているかは未知である。そこで本研究ではmRNAの核外輸送におけるESE配列の役割の解明を試みた。ESEを付加した様々なキメラRNAを作成し、アフリカツメガエル卵母細胞核にRNA微量注入の系でRNAの核外輸送を調べた結果、意外なことにESEを含むRNAの核外輸送を阻害しRNAが核内に留められることが明らかになった。この現象の分子機構を解明する目的で次にESEと複合体を形成する因子の探索を試みた。その結果スプライシングを触媒するスプラソソームに含まれるU2 snRNPの構成因子を同定した。さらにU2 snRNAがESEを含むRNAと優先的に複合体形成することを示唆する結果が得られた。イントロンを持つRNAを用いてESEの核外輸送における役割を調べたところ、スプライシングを経たRNAはESEの効果を乗り越え核外へ輸送されることが明らかになった。これらの結果は、ESEがスプライソソームをリクルートすることでRNAの核外輸送を阻害し、さらにスプライシングを促進することで、イントロンが除去された成熟mRNAを選択的に核外へ輸送する役割を担うことを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)