小胞体品質管理機構におけるEDEMとカルネキシンの機能解析
Project/Area Number |
04J00894
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小田 裕香子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | タンパク質品質管理機構 / ERAD / 小胞体ストレス / UPR / 小胞体品質管理機構 |
Research Abstract |
多くの膜タンパク質や分泌タンパク質の合成の場である小胞体には、品質管理機構が備わっている。ストレスや遺伝的変異などでどうしても正しい構造を獲得できない異常タンパク質は、小胞体に留められ蓄積する。蓄積した異常タンパク質は、細胞質へと逆輸送された後、プロテアソームで分解される。この機構は小胞体関連分解(ERAD)と呼ばれる。哺乳動物のERADの分子機構は未解明な点が多く残っており、更なるERAD因子の解析が待たれていた。 我々は、新たなERAD因子の同定を行うためDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、出芽酵母のERADに関与するDer1p遺伝子と相同性を示す新規遺伝子Derlin-2とDerlin-3の同定に成功した。Der1pの機能はほとんど不明であったため、ヒトカウンターパートと考えられるDerlin-2およびDerlin-3の機能解析に着手した。 肺気腫や肝硬変の原因となる変異型α1-PI(NHK)をERADで分解される基質として用いて実験を行ったところ、Derlin-2およびDerlin-3のノックダウンによりNHKの分解が遅れることを見出した。また、異常タンパク質の小胞体から細胞質への引き抜きにはp97が関与することが近年明らかにされているが、我々はDerlin-2およびDerlin-3がp97と複合体を形成し、異常タンパク質の逆行輸送に関与していることを明らかにした。さらに、異常タンパク質を認識するEDEMのDerlinの結合を調べたところ、EDEMとDerlin-2およびDerlin-3が結合することが明らかになった。よってこれまで全く不明であった、異常タンパク質の認識(EDEM)と細胞質への引っぱり出し(p97)の間のプロセスに関して、Derlin-2およびDerlin-3がそのミッシングリンクを埋める、ERAD分子であることが証明された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)