Project/Area Number |
04J00975
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sports science
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
水野谷 航 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 持久運動 / TGF-β / エネルギー代謝 / 糖質酸化 / 脂肪酸酸化 / 骨格筋 / 電気刺激 / ケトン体 |
Research Abstract |
持久運動のエネルギー源は、時間経過に伴い、糖から脂肪酸へ移行する。このエネルギー基質調節機構はまだ解明されていない。運動時にラット脳内で増加するTGF-βは、脳内投与により安静時の呼吸商を低下させる。本研究では脳内TGF-βに着目し、運動時のエネルギー代謝調節機構を、中枢神経系の関与及び主要臓器(肝臓、骨格筋)間の相互作用という観点から解明することを目的とした。まず初めに、エネルギー代謝の変化を詳細に研究するため、小動物の運動(筋収縮)を精密かつ経時的に調節可能なシステムを構築することを試みた。麻酔下ラットの左右下肢(大腿四頭筋、腓腹筋)に電極を刺し、電気刺激による筋収縮を起こし、運動モデルとしての検討を行った。周波数を様々に設定した時の血中乳酸、酸素消費量、心拍数を測定した結果、周波数依存的に増大する傾向が見られたことから、周浪数により運動強度が調節できることが示唆された。この時の乳酸閾値は周波数2-5Hzであった。2-5Hz刺激時の呼吸交換比は刺激直後は上昇し、時間と共に漸減する変化が観察された。これは持久運動初期の変化と同様であった。 次に、麻酔下のラット下肢筋へ2Hz電気刺激を行い、定量的に筋収縮させ、各臓器の動静脈からカニューレを介し採血し、血中エネルギー基質成分を経時的に解析した。結果、時間経過に伴い、骨格筋での乳酸放出減少と、肝臓でのケトン体生成増加傾向を確認した。これより骨格筋での糖質利用の減少と、肝臓での脂肪酸酸化の亢進が示唆された。このとき脳内TGF-β量が、電気刺激強度依存的に上昇した。さらにTGF-βの脳内投与は肝臓でのケトン体生成増加に関し、電気刺激時と同様の傾向を示した。以上より、運動時のエネルギー代謝調節に、TGF-βを介して中枢神経系が関与する可能性が示唆された。
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