Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ブラシノステロイド(BR)は植物の生長、分化など重要な役割を担っている。BR生合成・代謝経路の多くのステップに膜結合型シトクロムP450(P450)酵素が関与していることが生化学的研究から推定されているが、これら多くのP450酵素の活性について未同定である。本研究はBR生合成・代謝経路を酵素学的に解明することを目的とし、BRの生合成・代謝を担うP450酵素をin vitroで発現し、その基質および代謝物の構造の同定を行った。これまでの分析化学的手法により、CYP90C1とCYP90D1はそれぞれC-2位水酸化酵素、C-3位酸化酵素であると推定されているが、生化学的解析はなされていない。そこで、CYP90C1およびCYP90D1の酵素機能の解明を目的として、CYP90C1およびCYP90D1両酵素の生化学的解析を行った。その結果、CYP90C1およびCYP90D1は6-deoxoCT、キャサステロン(CT)のC-23位水酸化反応を触媒して、6-deoxoTE、ティーステロン(TE)をそれぞれ生成し、C-23位水酸化酵素であり、酵素機能が重複していることを明らかにした。また早期C-22位水酸化経路中間体はいずれもC-23位水酸化酵素の基質となると考えられたので、各中間体に対する基質特異性の検討を行った。その結果、従来基質とされた6-deoxoCTは非常に悪い基質であったのに対し、22-OH-4-en-3-one、22-OH-3-oneおよび3-epi-6-deoxoCTは良い基質となりk_<cat>/K_mは6-deoxoCTの60-120倍高いことが明らかとなった。以上より、CYP90C1とCYP90D1により22-OH-3-oneおよび3-epi-6-deoxoCTから直接6-deoxo3DTおよび6-deoxoTYへとそれぞれC-23位水酸化される新規生合成経路の存在を明らかにした。
All 2006 2005
All Journal Article (2 results)
The Plant Journal 45
Pages: 765-774
Nature Biotechnology 24
Pages: 105-109