細胞内鉄代謝機構の分子メカニズムの解明-鉄による転写制御からのアプローチ
Project/Area Number |
04J01004
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
植田 亮 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 鉄 / 出芽酵母 / 転写制御 / 核・細胞質輸送 |
Research Abstract |
出芽酵母の転写活性化因子Aft1は細胞内鉄濃度を感知し、それに応答して核・細胞質局在を変化する。Aft1の鉄濃度応答においてはAft1の鉄による核外輸送の調節が重要であることを明らかにしていたため、引き続きAft1の核外輸送メカニズムの解析を行った。また、イーストツーハイブリッド法により同定したAft1結合タンパク質のAft1の鉄濃度感知・応答機構への関与を検討するためにAft1との結合様式及び変異体の表現型を解析した。 第一に、Aft1の核外輸送は、Aft1と核外輸送担体Msn5との結合の鉄濃度に応答した変化により制御されることを見出した。Aft1内のMsn5結合ドメインの探索及びAft1変異体の解析により、Aft1の核外輸送にはAft1のリン酸化に関わるセリン残基とAft1の鉄依存的な分子内相互作用に関わるスレオニン残基が必要であることを明らかにした。このことよりAft1とMsn5との結合にはAft1のリン酸化と鉄による構造変化が必要である可能性が示唆された。 第二に、Aft1の鉄濃度応答にはAft1結合タンパク質Grx3、Grx4が必要であることを見出した。Aft1とGrx3/4との結合の詳細を調べた結果、Grx3/4は、ミトコンドリアに局在して鉄硫黄クラスター形成に関与するGrx5と相同性の高いモノグルタレドキシンドメインにおいてAft1に結合することが明らかになった。さらに、Aft1がミトコンドリア外鉄硫黄クラスター形成に必須であるNbp35と結合することを見出した。Nbp35の温度感受性変異株を作成し、この株においてAft1標的遺伝子の発現を調べた。その結果、この株においてはAft1の鉄濃度応答が失われる傾向が観察され、Nbp35がAft1による鉄濃度感知に関与することが示唆された。以上の結果より、Aft1が鉄硫黄クラスターの形成を通して細胞内鉄濃度を感知する可能性が予想された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)