Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
前年度までに,グラント・ウィギンズ(Grant P.Wiggins)が提唱した「真正の評価(authentic assessment)」論が,どのような教育方法論を前提に成り立っていたのかを明らかにした。これを受けて,今年度は,それがどのような教育実践の中で確立していったものなのか,探究を続けた。具体的には,米国エッセンシャル・スクール連盟(Coalition of Essential Schools)最初の加盟校であるセイヤー中・高等学校(Thayer Junior-Senior High School)の学校改革に注目し,パフォーマンス評価やポートフォリオ評価法など「真正性(authenticity)」を指向する評価方法が,単に標準化されたペーパーテストでは測れない「本物の」学力を把握するためだけではなく,それを基軸に生徒のパフォーマンスの視点から学校システムの分析を行うために実施されていたことを明らかにしている。また,職業学校における「真正の評価」に向けた取り組みとして,ホジソン職業技術高校(Paul M.Hodgson Vocational Technical High School)の「卒業プロジェクト(Senior Project)」に注目し,現地(米国デラウェア州)での調査を通して,生徒の卒業研究を媒介にした職業カリキュラムと学業(academic)カリキュラムの統合の様相を明らかにしている。 日本の学校でのアクション・リサーチにおいては,「逆向き設計(backward design)」論など評価を軸にした道具立てにより,大学院生と教師が単元設計の段階から見通しを共有し,教師の授業実践に埋め込まれている理論を可視化させる取り組みを実現させた。 さらに,本研究を通して獲得した「真正の評価」論の視点からOECD-PISA調査を検討することも試み,学力調査結果の読み解き方に関わる新たな留意点を,特に調査問題の状況・文脈の側面から明らかにしている。
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