Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
この研究の目的は重力流の内部に働く堆積物粒子の動きを計算機シミュレーションと実験によって明らかにするものである.自然界にみられる重力流は,時間的・空間的に流速が変動する複雑な流れである.このような流れをシミュレートし,流れ内部における堆積物の輸送および堆積作用を明らかにするため,昨年度に新たに開発した実験水路を,今年度さらに改良した.この水路は円筒形の循環型であり,上部のパドルの回転によって流れを発生させるものである.回転パドルの制御により様々な流れを模擬することが可能である.改良点はパドル数を増やすことでパドル間隔を減少させたことである.これにより流れの均質性が大幅に高まると共に,パドルによる渦の発生も低減させることに成功した. 改良した実験水路を用いて,重力流に関係した流れによって輸送された堆積物粒子が形成する様々なベッドフォームや堆積構造を,実験的に作り出し,その構造と水理条件の関係を明らかにした.特に今年度は重力流のような一方向流と波浪による振動流が合成した複合流における堆積物粒子の運搬作用や形成される平衡・非平衡ベッドフォームを精力的に調べこれまで知られていなかった条件領域でハンモック状のベッドフォームが形成されることを明らかにした.このベッドフォームに関連した構造はハンモック状斜交層理と呼ばれ,地質学の分野で重要視されている構造である.様々な条件で複合流実験を行い,堆積物粒子の動きやベッドフォームを観察し,それをもとにして粒子の動きやベッドフォームをシミュレートすることで,ハンモック状斜交層理の形成条件を推定した.これは地層から過去の水理条件や古環境を推定する際の重要な指標となると期待される.ハンモック状斜交層理の形成実験に関しては今年度学術雑誌に報告した.
|