Project/Area Number |
04J01111
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
佐々木 通 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 素粒子 / ニュートリノ / ニュートリノ振動 / K2K実験 / 検出器 / 光電子増倍管 / シンチレーター / ファイバー |
Research Abstract |
K2K実験においてスペクトル解析によるニュートリノ振動パラメータの測定精度をあげるためには、前置検出器においてニュートリノエネルギースペクトルを精密に測定し、ニュートリノ振動の効果が大きくみられる1GeV以下でのニュートリノ反応の詳細な研究が必要である。そこで、我々は新型ニュートリノ検出器「SciBar」を前置検出器として導入した。SciBar検出器は、14336本のシンチレータ棒によって構成されている。シンチレータ自身がニュートリノ標的となっているため不感領域がなく、ニュートリノ反応で生じる低エネルギー荷電粒子(陽子の場合350MeV/c以上)の飛跡を検出することができる。また、シンチレータでのdE/dx情報から、陽子・πの粒子識別が可能なため、荷電カレント準弾性散乱反応と非弾性散乱反応を確実に識別することができる。 SciBar検出器では、光検出器として64チャンネルマルチアノード光電子増倍管(MAPMT)を用いる。シンチレータから波長変換ファイバーを通じて光を検出するが、MAPMTのカソードガラス面で光が散乱され、隣のチャンネルにクロストークが生じる。クロストークを抑えるためには、正確なアライメントが必要である。したがって、MAPMTをファイバーとアライメントして接続するための装置を製作し、これを用いてSciBarにインストールする224本のMAPMTについてアライメントを行った。また、実機へのインストール後に、宇宙線を用いてMAPMTのクロストークを測定した。クロストークの起こり得る隣接する4つチャンネルの内、2つのチャンネルへのクロストークを測定し、それぞれ4.2±1.0%および5.0±1.3%という結果を得た。 次に、MAPMTのゲインはチャンネル間で最大で3倍違うため、各チャンネルのゲインを測定し、HV値を調整することでゲインを合わせることが必要である。MAPMTのゲインを64チャンネル同時に測定する装置を開発し、インストール前に224本のMAPMTについてこの装置を用いてゲインを測定し、HV値を決定した。実機へのインストール後にSciBarの宇宙線事象を用いて評価したところMAPMTのゲインRMS13%で揃っているという結果を得た。
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