MRIによる核整列固体ヘリウム3の磁区構造と磁区成長ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
04J01137
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
田中 孝佳 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 核整列固体ヘリウム3 / 反強磁性 / 磁区構造 / 核磁気共鳴映像法 / 磁壁 / メモリー効果 / マイクロケルビン / 自由誘導減衰 |
Research Abstract |
超低温度核磁気共鳴映像法(ULT-MRI)を行うことのできる実験装置として、冷凍設備およびMRIシステムを、昨年度に引き続き改良を進めた。本年度はファセット面が出ている固液共存状態の固体ヘリウム3の単結晶を加圧し、融解圧より高い圧力下で結晶成長させた際の、ファセット面の成長速度に関する実験を行った。 一昨年度より行ってきた、固体ヘリウム3のU2D2相とCNAF相の2相間の一次相転移に関する実験は以下のような結論を得た。磁場を急激に変化させることで準安定状態を作り出し,その後安定相に転移していく時間発展は2段階からなる。1段階目は準安定相の体積比が指数関数的に減衰するが,これは核生成過程が支配していることを示唆している.さらに,核生成で発生した安定相の塊がある大きさまで限定された成長をすると考えることにより,1段階目で転移する安定相の体積比の測定結果を説明できた.準安定相の体積比の減衰するレートを解析することにより,この核生成がMQTによるものであり,核生成サイトはヘテロジニアスなものであることが分かった.サイトの空間分布については,開発した超低温MRIにより測定し,結晶全体に渉って存在していることが分かった.また,核生成レートが転移の向きによらず同程度の大きさであることから,どちら向きの転移でも同じように働くサイトであることがいえる.以上の条件を満たす核生成サイトの可能性として,結晶中に多数存在する線状欠陥に結びついた磁気的面欠陥を考えている,なぜなら,このような磁気的面欠陥はある相にとっては磁気秩序構造を乱すのだが,もう一方の相の磁気秩序構造に類似している為,核生成サイトとして働くからである.2段階目については,MRI画像による安定相の空間分布の時間発展を測定した結果,固液界面を通して液体へ熱を放出(吸収)している固体内の熱輸送過程が支配的であることが得られた.
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)